寝ようと思って布団に入ったところ、脚がピクピクっとして気になるという方はいらっしゃいませんか? あるいは、膝から下のふくらはぎなどがムズムズしてじっとしていられないようなときは? これらは寝初めに起こる時もあれば、睡眠中に生じることも。さらに、年齢があがるにつれて増えてくる傾向にあります。今回は正常な眠りを阻害するこれらの症状について取り上げます。
■ むずむず脚症候群と周期性四肢運動障害
個人差はみられますが、「膝から下のふくらはぎなどがむずむずしてじっとしていられない」という症状に代表されるこの症状は「むずむず脚症候群」や「レストレス・レッグ症候群」と呼ばれます。眠り初めにみられることが多い症状ですが、ひどくなると寝ていない、昼間や夕方にも同様の症状がみられることもあります。
そして、「自分の意思とは関係なく、脚がピクピクっと動く」という症状は「周期性四肢運動障害」や「睡眠時ミオクローヌス症候群」と呼ばれます。ピクピクするだけでなく、手足が瞬間的にけいれんすることも含みます。程度も個人差があり、軽くピクピク動くだけの場合もあれば、布団を蹴り上げるほどのけいれんが生じる場合もあります。
寝つきに影響を及ぼしたり、深い眠りが妨げられたり、眠りが浅くなったりと、睡眠への影響が懸念されるこれらの症状。ひどくなると、前日激しい運動をしたわけではないのにもかかわらず、朝起きたときに脚へのだるさを感じる方もいらっしゃいます。
■ 気になる原因は
はっきり解明されていないところもありますが、鉄欠乏性貧血や妊娠中に多くみられることから、主な原因は鉄分の不足と考えられています。鉄分は神経伝達物質であるドーパミン、セロトニンなどを作るために欠かせない物質ですが、鉄不足に陥るとこれらの物質に影響が出てきます。
ドーパミンには「やる気を出す」働きに加え、不要な刺激をカットする働きもあると言われています。この働きがうまく機能しないと、衣類のちょっとしたこすれなど通常無視されるくらいの小さな刺激を受けた時でも、過剰に反応してしまうのではと考えられています。
■ 予防策は?
レバー、赤身の肉、ほうれん草など、鉄を多く含む食品を意識的にとるようにしましょう。また、寝る直前のカフェインやアルコール、喫煙は、先述の刺激や不快感を強める可能性が高いことから、特に夕方以降は避けるようにしましょう。
いかがでしたか。女性の皆さんは男性と比べると生理などの影響もあり鉄不足に陥りがちですので、特に注意していきたいものです。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]