■ 学歴格差が結婚反対の理由に
ジューンブライドの6月には、ウエディングドレスに身を包み、幸せそうな笑みを浮かべる花嫁を見かける機会が普段より多かったかもしれません。しかし、近くにいる礼装の母親はなぜか苦虫をつぶしたような顔……。このような風景は、結婚式場ではめったにないことかもしれませんが、必ずしも娘の結婚を祝福している親ばかりではないのです。
母娘関係改善カウンセラーの筆者は、母親から結婚を反対され行き詰っている娘さんから、ご相談を受けることがよくあります。反対理由のおよそ8割は相手との学歴格差。母親いわく、女性の方は4年制の大学を卒業しているが、男性は高卒または専門卒だと釣り合わない。付き合っている今は気にならないけれど、結婚したら学歴に差があることで二人の間にトラブルが生じるというのです。
■ いまや女子の進学率は男子と同じ
うちの娘は大学を出ているのだから、相手も同程度、または上のレベルの大学を出ていることが結婚を許す条件だとこだわる親は多いのでしょうか? 本人達はそんなことを気にしていないのに。平成24年度の男女進学率調査(※1)の結果では、女性の進学率は、大学・短大を合わせると55.6%に。これは男性の大学進学率とほぼ同じ数字です。今や半数の女子が進学している状況を考えると、将来付き合う男性が大卒でないケースも十分考えらえます。
親の反対を乗り越えるために、あるご相談者さんは彼に短期の外国留学を勧めました。国内の大学卒業となると時間もお金も大変ですが、海外で学んだ実績によって親に認めてもらえたケースもあります。また、別の相談者さんは、高卒の彼が中小企業で働き、最年少ながら統括マネージャーに昇進。彼を応援するため、勤務先の社長が女性の両親を説得しに来たケースもあります。
日本では学歴神話が根強いのでしょうか、親の価値観を押し付けられ、一生の幸せを台無しにされるのはあまりに残念です。結婚への道筋をつくるために、紹介した相談者さん達のように何かしら手段を探してみてはいかがでしょう。
[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]
【参考】
※1. 内閣府『男女共同参画白書 平成24年版』「第1-8-1図 学校種類別進学率の推移」
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません