6月以降、来年4月に入社を目指して就職活動をしている学生の姿をよく見かけるようになりました。景気と人手不足による「売り手市場」と言われる中ではありますが、社会人に必要な基礎力を改めて考えたいと思います。
■ 経済産業省が提唱している「社会人基礎力」
経済産業省が提唱している「社会人基礎力」とは、次のような3つの能力と12の能力要素と定義されています(※1)。
・3つの能力
(1)アクション(前に踏み出す力)
(2)シンキング(考え抜く力)
(3)チームワーク(チームで働く力)
・12の能力要素
(1)アクション
主体性/働きかけ力/実行力
(2)シンキング
課題発見力/計画力/創造力
(3)チームワーク
発信力/傾聴力/柔軟性/情況把握力/規律性/ストレスコントロール力
この12の能力要素をあらためて読むだけでも、うなずけるものばかりです。これらの力をまんべんなく持ち合わせた人材は、どこの会社でも引く手あまたとなるでしょう。ですが、実際に仕事をする前の段階では、どんなに面接をしても、企業側もこのすべての力を把握することはできません。
■ 大切なのは、チームとして働くこと
そして、このような基礎力は、たとえ社会人を数年、10年以上経験していたとしても、バランス良く備えている人ばかりではありません。むしろ完璧な人はどこにもいないと言っても過言ではないでしょう。
しかし、これから労働力が減少する時代の予測の中で、“個”ではなく“チームとして働く”ことが、ますます大切になってきます。その中で“個”としては、自分の強みや弱みを定期的に把握することによって、今年より来年、そして3年後の在りたい自分を目標とし、成長することができます。
また、自分がいつか部下を持つリーダーを任されたとき、自分のチームには、どの力が長けている人材が多くて、どこに弱みがあるのかを客観的に見ることで、お互いに補いあったり、助け合ったりし、チームワークを高めることができるのです。
ぜひこの3つの能力と12の能力要素を覚えておいてください。
[執筆:久保田 一美(キャリアカウンセラー) ]
【参考】
※1. 経済産業省「社会人基礎力」
※ 執筆者:久保田 一美(キャリアカウンセラー) について。女性専用のカウンセリングサービス『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できること、匿名で話せること、当日予約できるボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちのキャリア設計や働き方、ワークライフバランスの相談にのっている。
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません