ここ数年、男性の育休休暇も社会的に認知され、男性の育休を義務付ける会社が多くなってきました。それでも、日本では女性が育休を取る割合が圧倒的に高く、内閣府のデータによると男性の育休取得率は5.14%、女性は83.2%です(※1)。このように、多くの女性が育休を取得して赤ちゃん中心の生活を送っています。本当は働きたいけれど保育園が決まらず先が見えない、そんななか、夫の出世が羨ましく思える時もあるのです。
■夫の昇進昇給が素直に喜べない
現在は、育休中で家事育児に追われる日々。保活をしているが保育園が決まっておらず、職場復帰する目途がたたない。今まで仕事に情熱を傾け、キャリアを積み重ねてきたのに育児でそれが分断されているように感じてしまう。そんな中、夫の昇進や昇給が決まった。喜ばしいと思い一方で、「私は自分の仕事を犠牲にしているのに」とモヤモヤする。そして、夫の出世が喜べない自分自身が嫌になる。そんな育休中のママもいるのです。
■妬ましく感じるのは当然
第一線で活躍してキャリアもスキルも積み重ねてきた女性にとって、家庭の中だけに納まるのは、多くの場合は苦痛が伴うものです。しかも、職場復帰をする将来の目途が立たない中で、パートナーである夫の昇進昇給が妬ましく感じるのも無理はありません。人間ならば当然の感情でしょう。そんな自分は心が狭い? いえいえ、もし、あなたが仕事をしていたらどうでしょう? 悔しさはあるかもしれませんが、「私も頑張ろう」と意欲に火が付いたかもしれません。つまり、あなたが夫の昇給昇進を喜べないのは、あなたの心が狭いからではありません。職場復帰をしたいができない、復帰の目途も立っていない、という環境に大きく左右されているのです。
■ネガティブ感情の取扱い方がわかると自己嫌悪から解放される
そもそも、妬み、怒りに憎しみ。一見するとネガティブに見える感情。それら感情を抱いた時、あなたはどう感じますか? 「人を憎むなんて、妬むなんて、そんなことは思っちゃいけない」と感じた方もいらっしゃることでしょう。ネガティブ感情は人間ならば誰しもが持って当然の感情。ネガティブな感情もポジティブな感情も、大切なあなたの感情の一つです。ネガティブ感情を排除しようとしたり、抑え込もうとしたりして、自分を傷つけること。ネガティブ感情もポジティブ感情と同様に大切に扱うことです。ネガティブ感情の取扱いがわかると、自己嫌悪から解放されます。
いかがですか? 妬みの感情の根っこにあるものは、「私も仕事に復帰したい」そんな思いなのかもしれません。妬みや怒り、憎しみなどのネガティブ感情の根っこにある、本音に辿りついた時、あなたのモヤモヤもすっきりとしているはずです。感情の取扱いは筆者のようなカウンセラーやコーチに依頼するといいでしょう。あなたのどんな感情にも、肩寄せ抱きしめてくれるはずです。あなたの感情はあなたのもの。自分のどんな気持ちも大切にしてほしいな、と思います。
[執筆:久保木 惠子(乳幼児ママのサポートコーチ) ]
【参考】
※1. 『共同参画』「育児休業取得率の推移」内閣府発行, 2018年6月号
※この記事の執筆者:久保木恵子(乳幼児ママのためのサポートコーチ)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの相談にのっている。一児の母。
※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません