夫婦問題の悩み解決のお手伝いをしている筆者に寄せられる夫婦間トラブルのご相談で、ベスト3に入るのが、配偶者の浮気・不倫に関する悩みです。
■ 変化を見逃さない能力は女性のほうが高い
一般に女性は男性よりも「勘が働く」と言われています。妻は、相手のちょっとした仕草や言動の変化によく気づき、対して夫は気づくのが遅い傾向にあります。特殊能力とも言われる「第六感」が備わっていると言われるのも女性ですよね。これは、子どもを産み育てる性として、身近にいる人やモノの変化を敏感に感じ取る、いわゆる防衛本能だそう。女性がよく気がつくのは、家庭を守るために備わった能力なのですね。
配偶者の浮気など、妻は夫の不審な行動をいち早くキャッチします。たとえば「携帯を肌見放さず持つようになった」「身だしなみに気遣うようになった」「急に優しくなった」など。こういうとき、妻はピンときて、「なんだか怪しい」と勘ぐるのです。
■ 毎日、探偵まがいの行動をとるように
夫の浮気を疑い始めると、いてもたってもいられず、頭の中から離れられなくなります。そして、夫の身の回りの調査を始めます。多く見られるのが携帯のチェックです。メールやLINEで、どんな人とどんなやりとりをしているのかを調べようとします。
携帯だけでなく、FacebookやInstagram、ブログも隈なくチェックし、写真にとったりコピーして保存したりします。さらには、車にGPS盗聴器を設置して見張ったり、24時間夫の行動を監視し、プロの探偵まがいの行動に明け暮れている人もいます。
あなたは、このような探偵妻になっていませんか?
■ 行き過ぎは自分の首をしめる結果に
筆者のクライアント(相談者さん)のなかにも、「夫の携帯電話のチェックがやめられないんです」「毎日見ないと気がすまないんです」と話す方もいらっしゃいますが、ここまで来ると、心身ともに苦しくなります。相手の行動をチェックする行為は「不安要素を探しに行くようなもの」だからです。
何もしていない自分自身を追い詰め、自分の首を締めてしまっては本末転倒です。また、証拠は、それを武器に相手を問い詰めるための道具ではありません。離婚裁判となったときは、証拠が必要となるので、そのための証拠があれば残します。ですが、それ以上の調査や張り込みは、エネルギーの浪費となるのでやめましょう。
裏切られた気持ちが高まる不倫の悩み。探偵妻になるのではなく、自分のためにエネルギーを使ってほしいと思います。
一人で抱えきれないときは、カウンセラーなど専門家に相談し、心の内を吐露してみてください。自分の気持ちを再確認する作業を優先し、前に向かって進んでほしいと思います。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
※写真:PIXTA(ピクスタ)、本文とは直接関係ありません