離婚する際、子どもを持つ家庭は、取り決めなければならない様々な離婚条件があります。そのひとつが「面会交流」です。
■ 親と子が一緒の時間を過ごす親子交流
「面会交流」とは、離婚後、親子が一緒に過ごしたり、電話や手紙などで親子の時間を過ごしたりして交流を図る、いわゆる「親子交流」のことです。
面会交流は子どものためのものであり、子どものメンタル面においても「親から愛されている」ことを実感し、両親の考えや気持ちを知ることで、自己確立にも繋がり、健全な発達を促します。できるだけ親子が定期的に接し続ける機会を設けたいものです。
■ トラブルを未然に防ぐために
「子どもに会えるのが嬉しくて、豪華なレストランに連れて行ったり、誕生日でもないのに高価なプレゼントを与えたりするんです」
「競艇とか競馬場などのギャンブル場に、子どもを連れて行くのがイヤでたまりません」
夫婦問題に特化したカウンセリングを行っている筆者のところでは、このような妻の声を聞くことがあります。
ふだん子どもと離れて暮らす父親からすると、我が子が喜んでいる顔を見たくて、ついつい買い与えてしまうのかもしれません。ですが、それを知った妻は心穏やかではいられないようです。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、事前に、頻度や場所など面会交流の取り決めをしておくことをおすすめします。「いつ」「どこで」「どのように会うのか」「日時を変更する場合」といった基本だけでなく、「飲酒はしない」「〇〇は食べさせない」「プレゼントは親同士で相談してから」「〇〇には行かない」など、不安な点については細かく決めておきましょう。
■ 面会交流を支援する団体がある
夫のモラハラやDVに苦しみ、離婚に至ったケースでは、子どもと親を会わせることに抵抗を持つ人もいるでしょう。父母間の葛藤や対立が激しいときは、交流場所の選定や第三者の立ち会いなどの支援を行う「面会交流支援機関」があります。不安な方はまずは相談してみるといいでしょう。
子どもが主役の面会交流ですが、子どもが本音を話せないこともあります。支援している方のお話を伺うと、子どもはどちらの親にも気を遣い、顔色を見ながら接しているケースが多いとのこと。
子どもが出かけるときは、「行ってらっしゃい、楽しんできてね」と笑顔で送り出し、サポートしてほしいと思います。離婚は大人の事情でするもので、子どもに罪はありません。子育てパートナーとして、離婚後も子どもの成長を見守りたいものです。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
※写真:Mills / PIXTA(本文とは直接関係ありません)