結婚生活は、他人と暮らすことでもあるので、困りごとや悩みごとは途絶えることがありません。夫婦問題に特化したカウンセリングを行っている筆者のところへも、年代を問わず、さまざまなご相談が寄せられます。
■ 相手への信頼を失ったとき不信感が募る
夫婦関係は、ほぼ信頼関係によって保たれています。二人が同じ方向を見つめている場合は、離れて暮らしていても、どんなに多忙でも、比較的落ち着いた関係が保たれます。ところが、相手に対する信頼を失ったとき、いっぺんに夫婦関係に溝が入ってしまいます。
たとえば、浮気など配偶者が外に目を向けたとき。信頼していたパートナーへの信頼を失い、すべてが疑心暗鬼になり、何もかもが信じられなくなります。それでも関係を修復したい、パートナーへの未練がある、という場合は、心穏やかではいられず、24時間そのことを考え悩み苦しむことになります。
■ 不安要素を見つけにいく行為を続けてしまう
つい相手の携帯電話を覗き、メールやLINEのやり取りを見たり、鞄の中を調べたりすることも。
「こんなことをしても解決しないことはわかっているのに、やめられないんです」
「毎日、携帯を見ずにはいられません」
心理状態が不安定な時は、思考が停止し、「どうしたらいいかわからなくなり、同じことばかりをぐるぐると考え続けます」と話す妻も少なくありません。不安要素を見つけることで、マイナスなことばかりを考え、イライラが消えない。不安で眠れない。モヤモヤして仕方ない。情緒が不安定など、心身ともに疲弊していきます。
■ イライラモヤモヤから逃れる方法とは
そんな状態が続くとき、筆者は、クライアント（相談者さん）に「数字」を取り入れることをお勧めしています。
たとえば、このようなことです。
「3ヶ月後にもう一度話し合いをする」
「あと半年（6ヶ月）、私の行動を変えてみる」
「あと1回、浮気したら離婚する」
「あと○回」「○ヶ月」「○月まで」と、ロジカルな数字を取り入れ、目標を達成することに意識を向けます。これは、イライラやモヤモヤから逃れるための手段のひとつ。つまり、自分自身を大切にすることに集中し、余計なことを考えずに済むようにします。
過去の出来事に振り回されたり、まだ起きてもいない将来のことを考えることをやめ、自分で決めたルールを淡々と行い、その時が来たら、改めて自分の気持ちと向き合いましょう。
浮気に限らず、夫婦げんかが長引いてしまった時も、「数字」を取り入れてみてください。
自ら自分の首を絞めることはありません。無駄なエネルギーを使わず、解決に向けて進めてほしいと思います。
[執筆：渡辺 里佳（夫婦関係・離婚カウンセラー）]
※写真：PIXTA、本文とは直接関係ありません