育児休業からの職場復帰で短時間勤務(以下“時短”)制度を利用しているワーママは多いでしょう。21世紀職業財団の調査(※)によれば、短時間勤務制度は、女性の利用率は74.9%と7割を超えて利用が進んでいるとのこと。いつ時短をやめ、フルタイムに復帰するかは悩ましい問題です。そこで、今回は「時短のやめ時」について考えてみたいと思います!
■ 時短はいつまで取れるの?
育児・介護休業法の改正により、平成24年7月1日以降100名以下の企業も含めすべての事業主は、3歳に満たない子を養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる、短時間勤務制度を設けなければならななくなりました。最低でも3歳までは時短が利用できるわけですが、現在大手企業を中心にさらに期間を上乗せし、子どもが10歳まで、もしくは小学校卒業までと長期にわたる時短の利用が可能な企業もあります。
しかし、制度があるからといって長年時短をとっていると思わぬ落とし穴も…
■ 給与の減少や昇進・昇格の対象外も
時短を取得した場合、多くの企業では元の給与より目減りした額となってしまうケースが大半です。中には新卒程度の給与になっていまうケースもめずらしくありません。また、時短の期間中は業績は評価されても、人事制度上の昇進や昇格の対象外となってしまうケースも多いのです。自分の会社の制度はどうなっているのか、育休からの復帰時によく確認しておくことをオススメします。
■ 子どもとの時間か、キャリア形成か?
時短を利用すれば、余裕をもった家事・育児が可能となり、子どもとの時間が確保できるのは母親としては嬉しいことですが、一方で長期的なキャリア形成を考えるとなるべく早めにフルタイムに戻しておきたいもの。出産前に頑張って得た知識やスキルも2~3年もすれば古くなり新たなものが求められるでしょう。パートナーや周囲の関係者の家事・育児分担を見直し思いきって決断することも大切です。24時間の時間割を作成してやることと分担を書き出してみると、意外と工夫の余地が見つかりますよ。身近な上司や先輩に相談するのも一つの手です。
以上、いかがでしたでしょうか? いつかは終わらせなければならない時短。上手にタイミングを図りましょう。
[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]
【参考】
※財団法人21世紀職業財団「短時間勤務制度に係る研究会 報告書」平成22年3月