■ 仲の良い嫁姑が増加
「嫁姑関係」というと、以前なら「犬猿の仲」といったように関係がよくないイメージがありました。しかし、現在ではそんな状況も変わり、嫁姑関係に関するアンケート(※)(回答者は二世帯住宅に暮らす20代~40代の既婚女性)によれば、「姑と仲がよい」、「まあ仲がよい」と応えた良好派は67.7%です。さらに年代別にみると、40代では62.7%、30代以下は78.6%と高い数字になっています。
■ 実母といるより、姑という方がリラックスできる
母娘関係改善カウンセラーの筆者も、このアンケート結果を意外とは思いません。というのも、筆者のクライアントさんの中には実母より姑といる方が楽と言う方が結構いるからです。同居ではなくても、たまに遊びに行くと料理を教えてくれる、一緒に買い物に行くなど親しい関係が浮かびあがってきます。
昨今の姑は嫁に気を使うといった話も聞きますが、両者が程良い距離感を作っているのではないでしょうか。また、少子化の今、男の子だけの母親にとって同性である嫁は娘のような存在に思えるのかもしれません。息子が会社でどんなふうに働いているかさっぱりわからなかったけれど、結婚して嫁がいろいろ様子を話してくれるといった姑の声も聞きます。
■ 実母に焼きもちをやかせないためには
娘が嫁ぎ先の姑と仲良くやっていることを実母は喜ぶべきなのですが、クライアントの悩みはここにあります。つまり、嫁姑の仲の良さをうらやむ実母の嫉妬に苦しめられるのです。お正月やお盆で夫の実家に帰るのを優先すれば機嫌が悪くなる、母の日に贈ったプレゼントを姑への品と比較する。
このような実母の嫉妬は際限がなく嫌悪感が募ることもありますが、娘としては母親を必要以上に刺激しないことです。姑とのことを内緒にする必要はありませんが、一緒に買い物に行った、食事をしたとわざわざ実母に報告する必要もないはずです。もし、母親が姑の話を始めたらやんわりと別の話題に変える、それでも続けようとするなら、「義母さんの話はあまりしたくない」と伝えましょう。姑について云々より、そもそも人の噂話をするのが好きではないという姿勢を打ち出すことで、母親も話題にするのをあきらめるかもしれません。
実母、姑と3人で外出する機会を作り、なるべく平等に接したいという声も聞かれますが、両方に気を遣いストレスがたまる可能性の方が高いのではないでしょうか。
[執筆:真香(母娘関係改善カウンセラー)]
【参考】
※ 『日本経済新聞』「犬猿の仲に変化の兆し「嫁と姑」いまどきの関係」2013年2月6日