職場での人間関係で難しいのは、相手との「距離感」。筆者のカウンセリングでは、多くの女性から、「職場の同僚が苦手で好きになれない」、「プライベートなことを根ほり葉ほり聞かれて困る」などのお悩みを聴きますが、それはまさしく相手との「距離感」が課題なのですね。
職場の苦手な同僚を好きになる必要はないし、プライベートなことを無理に話さなくてもいいのですが、快適に仕事をするためには、やはり良好な人間関係を保つことが大切なのも事実です。4月から一緒に仕事をすることになった新しい職場の仲間とは、どんな心構えでおつきあいしたらよいのでしょう。
■ 「良かった出来事」を共有してみよう
私は、セミナーのオープニング時に、縁あって隣に座った方と一組になってもらい、互いの自己紹介と、最近あった良い出来事を話してもらうということをやっています。良い出来事を話すと、話す側も聞く側も気分がよくなり、初対面であっても盛り上がります。さらにその後のセミナーに対しても前向きな態度で臨んでもらえるのです。
これは、アメリカの教育学者であるピーター・クラインが紹介した「グッド&ニュー」という手法からヒントを得たものです。この「グッド&ニュー」というエクササイズは、組織の中で活用することで、ポジティブ思考に意識を集中し、気持ちがネガティブな出来事や体験に影響されないようにする習慣なのです。
■ ポジティブな気持ちも共有し良い関係に
この習慣をあなたの職場で活用してみてはいかがでしょうか。職場仲間と業務外で話をする時は、「最近良かったこと」に焦点を当てて聞いてみるのです。プライベートなことを訊かれた場合も、あなたの答えは「最近の良かった出来事」に。それは何も大げさなことではなく、最近天候が良くなってきたこと、週末いつもよりよく眠れたことなどなんでも良いのです。
最初は、良かった出来事を思い出すことすら難しいかもれません。ですが、継続することで慣れてきますし、出来事だけでなく、相手の良いところを見つけ出すことも上手になります。この簡単な習慣を継続し、適度な距離感を保ちながら良い関係を作る工夫をしてみてくださいね。
[ 執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー) ]
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