この時期、習い事やスポーツなど何か新しいことを始めてみようという気分になりませんか。ですが、週末も全力投球で活動してしまうと、あなたの身体と心は常に緊張状態なんていうこともあります。せっかくの休養が、疲労感を残すだけということにもなりかねません。
■ 手軽にできる心身リラックス法
私たちの意志とは関わりなく、心臓や、胃腸が24時間休みなく動いているのは、自律神経が機能しているからです。この自律神経には、交感神経と副交感神経があり、前者は昼間の活動時や緊張時に活発になり、後者は休息時やリラックスしている時に活発になります。この交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、身体に様々な不調がおきてしまいます。
そんな時にお勧めなのが、意識的にリラックス状態に導く「自律訓練法」です。1932年、ドイツの精神医学者J・H・シュルツによって確立された「自律訓練法」は、7つの標準公式を使って、心身をリラックス状態に導いていきます。
- 背景公式: 気持ちがゆったりと落ち着いている
- 第1公式: 両手両足が重たい
- 第2公式: 両手両足が温かい
- 第3公式: 心臓が規則正しく打っている
- 第4公式: 楽に呼吸している
- 第5公式: お腹が温かい
- 第7公式: 額が気持ちよく涼しい
■ 訓練だから日々続けることが大切
まずは、第2公式までやってみましょう。両足は肩幅程度に開き、椅子に深く腰掛けます。両手は腿の上に置き、目は軽く閉じます。姿勢が整ったら、心の中で「ゆっくりと落ち着いている」と繰り返します。気持ちが落ち着いてきたら、第1公式、第2公式と移っていきます。同じ言葉を繰り返しながら、両手や両足に意識を向けていきます。終了時は両手を軽く握りグーパーを繰り返し、腕を曲げ伸ばします。最後に背伸びをしながら大きく深呼吸をしてゆっくり目を開けます。
これを1回3-4分ほど続け、毎日、朝・昼・夜と3回行います。最初から上手くできなくても大丈夫。訓練ですので、日々続けることで上手になっていきます。道具もお金もかけずに手軽にでき、慣れれば仕事の合間や昼休み、電車の中でもできるようになります。ちょっとした日々の訓練で、上手に心身の休息を取りましょう。
[ 執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー) ]