もし、配偶者やパートナーから、「別れてほしい」と言われたら、あなたはどうしますか。夫婦問題に関するカウンセリングを受けている筆者は、次のような妻からのご相談を受けることがあります。
「夫から君とはやっていけない。離婚してほしいと言われました」
「私は、夫の言うことを聞かなくてはいけないのでしょうか」
配偶者からの決別宣言なのですが、夫の言葉に従わなくては、と考える妻が意外と多いという印象を受けています。
■ 夫婦は対等、夫の言いなりになることはない
夫からいきなり「別れたい」と言い渡されたら、ショックですよね。今後のことを考えると、不安でいっぱいになり、動揺してしまうのも無理はありません。気持ちが弱っているので、夫の言葉を真に受け、「言うことを聞かなくてはいけない」という心理が働くこともあるようです。ですが、たとえ夫からの決別宣言を受けたとしても、夫の言葉に従う必要はありません。
結婚し夫婦となった二人です。結婚は契約でもあり、夫婦は対等な立場ですから、相手方からの一方的な要望を聞かなければならないことはないのです。夫の言いなりになって行動したとしても、自分の本意でなければ後悔が残るだけです。
まずは、自分の内面と向き合いましょう。
「これから一生ともに生活していきたい相手なのか」「相手に対する愛情はあるのか」といった根本に立ち戻り、「今後、自分はどうしたいのか」を明確にしてほしいと思います。
あなたが望んでいることはなんですか?
これからやりたいことはなんですか?
夫にとらわれすぎずに、自分主軸で生きる方法を探ってみてください。
■ 冷静に気持ちを伝えるツール「手紙」を渡すのも方法
その上で、今後について夫婦で話し合いをします。とはいえ、言葉で上手に伝える自信がなかったり、感情的になりそうだという方も多いです。そんなとき筆者はまず「手紙を書く」ことをおすすめしています。
想いを文字に起こす作業は、心の整理にもなりますし、何度も読み返して、冷静に見つめ直すことができます。自分の気持を伝えるツールとして、「手紙」を取り入れてみてください。
実践した方から、「手紙を書き、繰り返し読み、自分でも声に出して言ってみることで、話し合いの場で感情的にならずに済んだ」という方がいらっしゃいました。
手紙の内容は、自分の気持を伝えることに重点をおくのがポイントです。相手の気持をコントロールすることはできないので、要求や計画などは控えめに。つい「結論を出さなくては」と、急いで白黒はっきりつけようとする方も多いようですが、じっくりと時間をかけて取り組む姿勢も大切です。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません