国内大手銀行の長期固定住宅ローン金利が上がったとのニュースが最近ありました。日銀の異次元金融緩和など経済トピックスに事欠かない昨今、来年4月から予定されている消費税増税前に住宅購入を考えたいという人も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って下さい!
住宅と言えば人生で最も高い買い物。しかもキャッシュではなく、住宅ローンという借金を何十年も背負って購入する方が大多数だと思います。「いま、本当に住宅を買うべきだと思いますか?」
■景気も金利も先のことは分からない
金利に限らず、為替や株式などこれからの経済情勢を明確に予測することはできません。景気がよくなるか。お給料は上がるだろうか。先のことが分からないからこそ、自分がコントロールできることに意識を向けてみませんか。
例えば、お子様が小さなご家庭なら「今家を買っても、将来この子の教育費は大丈夫だろうか?」変動金利で借りるとすれば「(金利が上がり)月々の支払いがいくらまでなら増えても払えそうか?」など、将来の動きをまず想像してみてください。それも希望的観測ではなく、なるべく堅実な予想が良いですね。
■借りられる金額ではなく、「返せる」金額で考える
住宅ローンはたいていの場合、年収による審査があります。でも、金融機関の審査がOKだったからといって、安心してしまうのは危険。借りられる金額は、決して「返せる」金額とは限らないからです!
気に入った物件が見つかり、早々に住宅ローンを組むような場合は特に注意して下さい。購入価格がすでに決まっているため、本来返せる額かどうか、住宅ローンのタイプがライフプランに合っているかどうかの検討がつい甘くなりがちだからです。不動産業者は、あなたの住宅ローンに責任を持ってくれるわけではありません。
何十年もの間には家族構成や暮らしぶりがいろいろ変化します。例えば、DINKS世帯であれば出産などで奥様の収入が一時的に無くなるかもしれません。考えたくはありませんが、大黒柱のお父さんがリストラされるかもしれません。
金利変動や家計収支の増減を吸収できるよう、毎月の返済額にはゆとりをもたせ、貯蓄と繰り上げ返済のバランスに気を配りたいところ。人生どっちに転んでもいいよう、選択肢が多いに越したことはありません。
[執筆:海老原 政子(ファイナンシャルプランナー) ]
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【参考】
※「フラット35、3カ月ぶり金利上昇 長期固定の住宅ローン」