「起業するにはどうしたらいいですか?」という相談をお受けすることが増えています。キャリアコンサルタントの視点から、女性起業家の特徴や実態、成功の秘訣に迫ります。
■ 女性が起業する目的
経済産業省の調査(※1)によれば、起業目的ダントツ1位は男女ともに「自分の裁量で仕事をしたかったから」。自分の裁量といっても女性は、「家事や育児との両立を図りたい」が7位でしたから、自己啓示欲ばかりでもなさそうです。ちなみに男性の同回答は13位。
女性の2位は「趣味や特技等の好きなことを活かしたかったから」(男性8位)。確かに、相談内容をお聴きすると、自作の小物をインターネットで売るには? ヨガ教室を開くには? など、自分の「好き」「強み」を活かした内容がほとんど。この点が女性ならではと言えそうです。ちなみに3位は「収入を増やしたかったから」(男性2位)でした。
■ 家庭のために習い事? 拡大中のワケは…
日本経済新聞記事(※2)によれば、”家族のために”習い事を始めたり、資格を取得したりする動きが広がっています。スポーツを習い子どもに教えたい、子どもと一緒にイベントに参加したい、教育も兼ねて子どもの食事に配慮したいなどの親心と、”デキる”パパ・ママになりたい心理があるのだそう。また、記事によれば、独身女性の間では、将来の家族のために学ぶ傾向が強まっているとか。
少し前に“自分磨き”が流行りましたが、これからは家族のためにもなる“自分磨き”の時代?! その分野で自分の「強み」を活かせる起業は、チャンスかもしれません。
■ まずは自己分析
だからといってすぐに起業するのは難しいと知っているからこその、ご相談。まずは以下の確認から始めましょう。
- 持てる資源(経験や人脈)の洗い出し。
- あなたを取り巻く環境を、脅威とチャンスの視点で分析。自分のスキルを、強み弱みの視点で分析。
- あなたの「強み」、やりたい商品やサービス。それは、他人より高いレベルでできますか?
就職活動の自己分析と似ていませんか? 自分だけでなく誰かと一緒に考えると、より整理でき、客観的な気づきも得られます。
事業を起こすための具体的な助言は、中小企業診断士や税理士などの専門家や、公的機関が運営する創業支援センターなどの専門機関の活用がベスト。その事前準備として、あなたのアイディア整理をキャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー)が手伝います!
後編では女性の起業後、厳しい実態に迫ります。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) ]
【参考】
※1. 経済産業省 「平成22年度女性起業家実態調査」p.39 PDF
※2. 『日本経済新聞』 2013年6月28日「めざせ!デキるパパ・ママ」