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注目が集まる新型出生前検査、当事者の決断とは?
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注目が集まる新型出生前検査、当事者の決断とは?

遺伝子の分野では、目覚ましく技術が進化し、簡易で精度が高い新型出生前検査が今春登場しました。

 

■ プレママの血液20ccでできる、新型出生前検査

もちろん、今までも出生前診断はありましたが、羊水検査には流産のリスクもあるということで、受診率は決して高くありませんでした。しかし、プレママの血液をたった20cc採取しただけで、精度の高い結果が出る新型検査の登場により、爆発的な出生前検査の普及は必至です。その際、「命」について深く考えず、ワクチンと同じような感覚で、受ける受診者も増えてくるでしょう。陽性が出た場合の十分な物理的・精神的なサポート体制の整備なしに、推し進めるべき検査ではないことは自明です。

 

■ もしも、陽性だったら?

出生前検査受診者のアンケートやブログをみても、「まさか自分は大丈夫だろう」と思って検査を受ける方が殆どだといいます。陽性が出た場合の受け止め方も様々で、「子供の将来が不安」「私達夫婦はよくても上の子に背負わせられない」中にはその事実を受け止めきれず、考えることを止めてしまうカップルもいるといいます。産む決断をした方の声でも「サポート体制が薄く、経済的に物理的に困窮してしまう」「大変だけど、生まれてきてくれて、家族を幸せにしてくれる」「秀でた才能がわかり、プロとして活躍している」等様々なのです。

 

■ 検査結果が出てから決断までは1週間!?

出生前検査は10週目で受診をして、結果が出るのに1週間(11週目)、安全に中絶ができる時期は12週までと、実質、夫婦に残された考える時間は1週間です。
考える時間としては、半生をかけても時間がたりないぐらいの内容を短時間で決断しければならない苦しみ。想像だにできません。

 

以前、『ガタカ』という遺伝子情報が支配する未来社会を舞台としたSF映画がありました。映画を通じたメッセージは「遺伝子分析だけでは、人間の可能性を分類できない」というもの。

現実にそんな社会が安易に到来するとは思えませんが、技術は倫理観が追いつかないところでどんどん進化しています。私達がどのような社会を望み、いざ自分が当事者になったとき、どのような決断をするのか、当事者だけでなく社会全体の問題として主体的に考えておくことが大事なのだと思います。

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー)]

 

【参考】

※映画 『ガタカ』1997年アメリカ,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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