子育てには「これさえやっておけば大丈夫」といった万能マニュアルは無い…とは分かっているものの、初めて親になると分からないことだらけ。
そんな親の一人である筆者。ワーキングマザーの先輩が筆者に伝授してくれた、女の子の子育て「28プロジェクト~28歳になった時に社会で活躍する女性の育成」をご紹介します!
■ 28プロジェクトとは?
東京は品川の中高一貫女子校の一つ、品川女子学院で校長を務める漆紫穂子先生が提唱されているのが28歳になったときをゴールに設定した教育「28プロジェクト」です。女の子の子育てに関する著書も複数出版され、女の子ママから注目を集めています。
大学を卒業して社会人になった場合に5~6年目となる28歳は、一人前のビジネスパーソンとしていったん仕上がる時期。私も働く女性のキャリア研修では、“28歳”を一つのターニングポイントと考えています。プライベートでは、結婚や出産といったライフイベントへの選択肢がリアルに迫る年齢でもあり、女性がいろんな意味で自律する時期かと思います。
■ 娘が生きる未来の社会のキャリア
筆者に女の子が生まれた時、義理母から「女の子は勉強より、とにかく明るく、かわいくでいいもんね~」と言われ、少々驚きました。たしかに団塊世代の価値観としては、女性は結婚・出産して専業主婦になるのが幸せの定義だったでしょうから無理もありません。しかし、約20年後に成人して社会に出る娘の生きる時代は、現代よりグローバル化が進み、性別に関係なく(なっていて欲しいですが)活躍できないと生き残れないと思います。逆に性別を意識した子育てをするべきではないのでは? とも思いながら、漆先生の育児書で勉強させていただきました(※)。
では、漆先生の育児書はどんなことがポイントなのでしょうか?
■子育てにはビジョンが必要
仕事や会社経営などと同様、子育てにもビジョンが必要とは、私も様々なセミナーや育児書で見聞きしてきました。漆先生の育児書でもこの点はまず第一に重視されており、各家庭で具体的に明文化すべきと説いています。
おそらく女の子の場合は、ここでかなり親が理想とする女性の生き方が反映されるのではないでしょうか? 例えば、ビジョンを「笑顔と思いやりを大切にする女性になる」とするのか、「グローバルに活躍できる女性になる」とするのかによって、教育方針が違ってくるでしょう。
子どもに期待することをあげていくと数多くなってしまいますが、そこを取捨選択し3つ程度に絞ることが重要だそうです。
■同姓としての経験が邪魔をする
先のビジョンから日常実践するルールを決め、未来をイメージさせながら学童期を導く…。その中での褒め方・叱り方などは男女に関わらず通ずる内容が多く、それほど大差は感じませんでした。ただし、1点、子どもが思春期にさしかかった時に、同姓として自分の価値観を押し付けてはいけないという点は肝に銘じようと思いました。おそらく筆者の子育ての場合は、女性は社会で活躍すべきだという価値観が強すぎて、娘にもそれを前提に子育てしてしまいそうです!
キャリアカウンセリングをしていても、母親の影響から抜け出せず苦労している女性を見かけます。親離れ子離れの時期は、見失わないようにしたいものです。
[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]
【参考】
※ 漆紫穂子(2013)『女の子の未来が輝く子育て 娘も親も幸せになる7つのレッスン』朝日新聞出版