政府が中小企業でも育児休業を取得しやすい環境づくりをするために、来年度より中小企業の育児支援に乗り出す事にしたそうです。この支援はどういったものなのでしょうか?
■ 支援とは
ズバリ助成金
社員が育休を取得した企業、1社あたり最大60万円を助成するとのこと。最大60万円というのは、1社あたり2回まで、1回30万円を助成するということ。
助成金の流れは下記のとおり。
- 厚労省が社内規定のひな型を作成する
- 全国に「育休復帰プランナー」が配置される
- そのひな型をもとに、育児復帰プランナーが企業や育休取得者に助言をする
- 助言に基づいて育休取得の規定や職場復帰プランを新たに設ける
■ 育休復帰プランナーとは?
育休復帰プランナーは、各都道府県に少なくとも1人、全国で最大200人を置く計画となっており、該当の地域にいる社会保険労務士や企業にて労務担当を経験したOB・OGらを想定しています。全国の商工会議所などの中小企業団体に配置し、育休取得や職場復帰のノウハウが乏しい中小企業の者に制度づくりを手助けします。社内規定のひな型ができてからプランナーの出番になるため、配置は来秋からになるようです。
■ なぜ助成金制度を導入するの?
厚労省の2012年度の雇用均等基本調査によれば、従業員数5~29人の中小企業における育児休業取得率は73.4%。この数字を従業員数500人以上の企業における育児休業取得率90.6%と比べると、17ポイントの差があります。
従業員数5~29人の中小企業において育休取得率が低いのは、労務管理まで手がまわらない理由が大きいのではと見られており、中小企業でも女性が長く活躍できる環境を整え、日本経済の競争力の底上げにつなげる狙いがあります。
■ 本当に実現する?
安部政権の成長戦略から考えると、実現の可能性は高いでしょう。なぜなら、女性の登用の重要さを訴えて、様々な政策をしようとしています。中小企業でも女性が長く活躍できる環境を整え、日本経済の競争力の底上げにつなげることは、政権にとっても大切なこと。また、来年度予算の概算要求に約2億4000万円を盛り込んでいるため、育休支援は行われると考えていいと思います。
安部政権は女性登用を重要視しているため、この先も様々な政策を打ち出してくれることが期待できそうです。しかし、中身は始まってみないと何とも言えないため、常にしっかりとアンテナを張って情報収集に努めていきましょう!
[執筆:三木育美(保育情報アドバイザー)]
【参考】
※『日本経済新聞』22013年8月29日,「育休、中小企業も取りやすく 1社60万円まで助成 政府が全国に指南役」