最近、何人かの20代の女性から「私もいつかは結婚して子供を持とうと思うのですが、仕事とか生活とか、どうなるのか漠然と不安があって」と相談されることがありました。
そんな質問の背景には「子育てをしながら活躍している女性のロールモデルが身近にいない」「いたとしても、スーパーワーキングマザーまたはカリスマ主婦で到底自分がなれると思えない」のではと推察します。
■ ダイバーシティ普及ゆえの迷い
ダイバーシティ(多様性)という言葉が一般化してきた近年だからこその悩みともいえるのでしょうか。「寿退社」というのが主流であった頃と比べると、今は様々な人に様々な選択肢が用意されている時代です。選択肢がありそうだからこそ、自分がいざそうなったときに迷ってしまうのではないかと。
しかし、案外「案ずるより産むが安し」。その時になってどうするかを考えればよいし、いくら計画を立てでも、相手のある結婚や、奇跡の積み重ねである妊娠なんてそもそもコントロールできないのですから。
■ 育児期間はキャリアロストではなく、チャンスの期間
よく、「子育ての時期」はキャリアロストなどと言われますが、心がけ次第によっては、この期間をロストではなく、キャリアをもう一歩飛躍させられるチャンスに変えることができます。
といっても、この時期に資格をとろうなどという話ではありません。子育てそのものが、仕事の面においても有効な学習チャンスであり、この中で感じた課題感がビジネスチャンスに繋がると思うからです。
例えば、子供に強化してほしい行動(お手伝いをする)があれば、親は子供がそれをしてくれた時に大げさに褒めます。逆にしてほしくないことをしたときには、反応をしないか、諭す必要があれば二人きりの場所へいきます。「褒める」ことが報酬になり、子供の行動を活性化します。
このことは、仕事におけるマネジメントにも繋がります。大抵の仕事は、一人で完結することはありません。若いメンバーをどうモチベートしていくのか、仕事をする相手に自分の要望をどう伝えたら、正確に伝わるのかを学ぶまたとないチャンスなのです。
また、「子育て」というものは劇的に物事を見る視点が変わりますので、これまで気づかなかった問題点に気づけるビッグチャンスでもあります。
例えば「機能にもすぐれていて可愛い哺乳瓶がないなぁ」そんな課題感が見つかれば、仕事にも活かせるチャンス! 「キュートなデザインで軽くて機能の高い哺乳瓶や哺乳瓶ケースをつくったら楽しいのではないか」と発想が広がります。
筆者の身近には、子育てをしながらも活躍している女性達が沢山います。会社に残って管理職へ進むママ、得意な分野を活かして独立するママ、主婦として家庭、地域に目覚ましい才能を発揮するママ。おそらく若い女性が身近にみられるママは「会社に残るママ」が殆ど。しかし、実際は自営やフリーランス、スーパー主婦など結構いろいろあるのです。
女性も男性も「仕事か子育てか」という二律背反の選択肢ではなく、「両方ともやれるのだ」という柔軟な気持ちで、「案ずることなく目の前の仕事や遊びを一生懸命やる」というのはどうでしょうか。
[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー)]