先日、NPO法人Fine主催のイベントに参加してきました。今年のテーマは「ちゃんと知りたい男女の不妊」とあって、カップルでの参加が多く、不妊への関心の高さが伺えました。(中には妻に無理矢理引っ張ってこられた男性陣もいたのかもしれませんが…。)
何かと女性主体ではじまることが多い、妊活。このイベントでは、医師やゲストから「妊活は夫婦一緒がお約束!」というメッセージが伝えられました。今回は、何かと抵抗を感じる男性も参加しやすい、妊活の始め方についてお伝えします。
■ 卵子の老化は待ってくれない
男性不妊の専門医 石川智基先生の講演で、大きくうなずけるポイントがありました。
「日本の特色は、まず奥さんが先に一人で婦人科を受診し、数ヶ月かけて検査をする。そこでなんともないと分かって初めて男性の精液検査がはじまるんです。これは海外からみるととても不思議な光景です。」
女性側の年齢にもよりますが、年齢・時間との勝負になる不妊治療においてタイムロスは致命的。夫の検査を後回しにしている間にも卵子はどんどん年をとります。男性の検査は基本的にいつ受けても構わないので、夫婦そろって受診したいところです。
■ 男性に二の足を踏ませないために
とはいえ、多くの男性陣にとって精液検査は大きなハードル。婦人科で検査を受ける際、クリニックによっては採精室までの道のり、女性ばかりの待合室を通らなければならなかったり、採精室が完備されていない場合はお手洗いで済ませてもらう必要があり、何とも言えない恥ずかしさが。インターネット上での体験談でも「しんどかった…」との声が少なくありません。(筆者の夫も、最初は相当気苦労がありました…。)男性はプライドもありますし、女性が思う以上にデリケート。パートナーに精液検査をお願いしたい場合は、心理的な配慮が必要ですね。
■ 希望にあったクリニック選びも大切
男性側が泌尿器科(男性不妊外来など)を受診し、検査するという選択肢もあります。ただし、人工授精や体外受精に進んだ際は、婦人科内での精液採取を求められることもあるようです。
最近は、婦人科と泌尿器科の両方が併設された不妊専門クリニックも増えてきました。院内で男女の動線が別々に配慮されている施設もありますので、事前によくリサーチし、ご夫婦にとってベストな妊活の方法を話し合ってみましょう!
[執筆: 渡辺 さちこ(「妊きゃりプロジェクト」主宰) ]
【参考】
※ NPO法人Fine 「Fine祭り2013 ちゃんと知りたい!男女の不妊」 (2013年11月3日開催)