昨年から世間を賑わす“女性管理職”という言葉。上昇志向女子なら、いつ管理職やリーダー職を打診されても大丈夫! と、準備ができているかもしれません。一方、上昇志向はそれほどでもない場合には、打診されても無理! と尻込みしてしまうのでは?
尻込みする気持ちには、リーダーシップの経験がないという思いがあるようですが、リーダーシップは必須なのでしょうか? 日本経済新聞の記事(※1)によれば、女性リーダーは「らしさ」が強みだとか。具体例を見てみましょう。
■ 女性が男性より上回るもの
記事によれば、働く20~50代の男女が回答した「仕事で女性が男性より上回る内容」のトップ3は、「細やかな配慮」「コミュニケーション能力」「協調性」でした。記事に登場した女性リーダーの「らしさ」は以下のとおりです。
・陸運大手企業で店長を務めるAさんは、毎朝、約50人のドライバーを送り出す際に、全員とハイタッチするそう。この業界は上下関係の厳しい男社会で、Aさんは16年働いてきた叩き上げ。しかし、過去の上司たちとは異なる自分らしいやり方で、店を束ねているそうです。また同社では、女性中心に切り替えた営業所では苦情が減ったとか。
・信販会社のBさんは、部下の給与を能力に見合ったものにするために、人事部とやりあったことがあるとか。公正さを大事にする感性は、細やかな配慮に通じるものがありそうですね。
・コンサルタントのCさんによれば、男女で営業手法に違いがあるのだとか。男性は期限を決めて一気に攻略、女性はじっくり信頼関係を築いてから、契約を取る傾向があり、どちらも中長期的な成績は同じなのだそうです。
これらが男女の性差によるものなのか、個人の特性によるものなのかは、判断しづらいところです。しかし少なくとも、前述のAさんの例に見るように、女性が管理職に就くからといって、男性管理職と同じスタイル、たとえばリーダーシップの発揮やトップダウン式を踏襲せねばならないわけではなさそうです。
記事では、“素直に、自分の優れた面を生かす道が、さらなる高みにつながる”と結んでいますが、筆者も同感です。管理職などを打診されるのは、あなたならできると見込まれてのこと。あなたらしくあってよいし、それによってメンバーをまとめることが、きっとできます。応援しています!
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) ]
【参考】
※ 『日本経済新聞』2014年2月22日「共感・協調 経験糧に」