例年3月は、前月に比べて求人が増える傾向があるためか、転職相談が増えます。希望の転職を果たした女性と求人情報とを見ると、事務職は40代前半までチャンスありと感じるため、30代で特別に焦る必要はなさそうですよ。
ところで、最近はシングル女性を「独女」と表すとか。独身の働き女子にとっては、仕事に結婚に妊娠に! と悩み多いことでしょうから、ちょっと自虐的なくらいの言葉が自分にフィットするのでしょうか。マイナビウーマンが、そんなアラサー独女の胸中を調査しています。
■ 転職を考えたことのあるアラサー独女は6割
転職願望についての調査結果(※)を見たところ、59.4%が転職を考えたことがあるようです。キャリア相談の現場にいる筆者の印象では、実際に転職活動をするかどうかはともかく、7割超が転職願望ありと思っていたため、意外な数字です。
■ 転職理由には、2種類ある
具体的な転職理由を読むと、本人にとっての問題点は様々です。それらを、2つの視点で整理してみました。
1. 外的なもの
(自分の考え方や行動が変わるだけでは、問題点が解決しなさそう)
・会社の制度(例:給与体系を含む人事制度、福利厚生、キャリアアップしにくい仕組み、社風)
・会社全体の働くスタイル (例:長時間労働の常態化、シフト制勤務)
・会社の将来性 (例:給与が年々減っている)
2. 内的なもの
(自分の考え方や行動を変えたら、問題点が解決する可能性がある)
・職場の人間関係の行き詰まり・上司の方針を理解できない
・モチベーションを維持できるか不安
・体力的に不安(例:仕事内容が体に負担かかる、通勤時間の長さ)
・結婚や育児と両立が難しそう(例:土日が休みではない、仕事量が多い)
項目1の外的な理由を個人で何とかすることは難しく、直ちに会社が変わるという期待も持ち難いでしょう。だからといって、転職で問題点が解決されるとも思えません。単に「隣の芝生が青くみえる」だけかもしれないから。
一方、項目2の内的な理由は、個人の工夫で、あるいは周囲に働きかけることで、好転するかもしれません。例えば、人間関係の行き詰まりなら、社外で新たな出会いを得てみては? 例えば、異業種交流会や朝活(好奇心を満たす勉強、読書会など)に参加、いつもの習い事で誰かに声をかけてみるとか。通勤が遠いなら、一人暮らしをしてみては?
昨今の企業は、課題解決志向な人材を重用する傾向があります。自分で解決策を考えることは、「いてほしい人材」になるための、よい訓練。今が踏ん張りどき! と思って、あなたが明日もがんばれますように。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※ 『マイナビウーマン』2014年1月20日「転職を考えるアラサー独女は59.4%!『昇給制度がない』『上司の方針を理解できない』」