意外かもしれませんが、日本は世界一の不妊大国。今、日本では6組のカップルに1組が不妊で悩んでいるといわれ、その数は47万人に及んでいます。不妊治療を行う認定施設数は588施設(2011年)あり、日本の2.4倍強の人口を有するアメリカの422施設を上回っているのです。

 

■クラスに1人は不妊治療で誕生

日本産科婦人科学会の調べによると、人工授精(AIH)と体外受精(IVF)をあわせた2009年度の年間治療件数は、21万3800件。同年、これらの治療によって生まれた子どもの数は2万6680人と全体のおよそ40分の1、つまり1クラスに1人は不妊治療で誕生したという計算になります。
生殖医療技術はまさに日進月歩であるものの、“限界”は存在します。体外受精・顕微授精はまさに最後の砦。高額な医療費を実費で負担し、何度か体外受精を試みるも妊娠に至らない。これまで多くのカップルが「潮時」とばかりに治療をやめる決断をしてきました。

 

■ 国内初の卵子ドナー登録

今月半ば、国内で初めて「卵子を無償で提供してくれるボランティアを募集する」という発表が行われました。卵巣機能に疾患がある女性に対し卵子を提供してくれる女性を募り、提供された卵子による体外受精が実施できるように支援する団体「卵子提供登録支援団体OD-NET(岸本佐智子代表)」によるものです。卵巣機能の低下で妊娠が困難な女性の多くは、これまで数百万円の費用をかけ、海外での卵子提供、体外受精を行ってきました。今回、こうした取り組みができたことで苦しんでいる女性が救われれば、こんなに嬉しいことはありません。

第三者からの卵子提供による体外受精は、倫理的・社会的にまだまだ異論が突きないうえ、さまざまな課題もありますが、こうした取り組みが広がることは不妊大国日本にとってプラスになると思います。

 

最後に。OD-NETでレシピエント(被提供者)登録ができるのは、生まれつき卵巣機能が低い体質(ターナー症候群)の女性や、早発閉経の女性としています。そのため、加齢による不妊は対象外。以前の記事内でも“卵子の老化”について触れてきましたが、加齢が不妊に関係してくるということが日本ではまだあまり知られていないと感じます。妊娠を先送りしてきた女性が慌てて不妊専門クリニックに駆け込む、という現象が少しでも減ることを願わずにはいられません。

 

【参考】

『国内初「卵子バンク」不妊治療、提供者募集を開始』産経ニュース

日本産婦人科学会

OD-NET

 

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