ワークライフバランスやダイバーシティが叫ばれ、女性の働き方が模索される昨今。女性の働き方について、気になる記事を見つけました。「世界で最も女性が住みやすい国」として注目されている国では、国民は本当に幸せなのかという『クーリエ・ジャポン』2012年12月号の論考です。記事の紹介をしつつ、日本との比較を考えてみました。

 

■「女性が住みやすい国」とは?

世界経済フォーラムの「男女平等ランキング」で3年連続1位を獲得し、ニューズウィーク誌に「女性が住みやすい国」と紹介された人口32万人の、この小国。柔軟な育休制度が評価され、男女平等ランキング1位に輝き続けています。

 

この国とは、「アイスランド」。

 

アイスランドの育児休業制度では、母親と父親のそれぞれが3か月の育児休暇を取得できるだけではなく、さらに3か月間の、1人がまとめて取得してもOK,2人で分けて取得してもOKという育休制度があるのだそうです。その結果、2009年には父親の85%が育休制度を利用しています。

一方で、同じ2009年の日本の状況を見てみると(※1)、男性の育児休業取得率は1.72%であり、アイスランドとは雲泥の差。男性の育児参加を増やそうという動きはあるものの、2011年時点でも取得率は2.63%であり、いかにアイスランドの男性の育休取得率が高いかが分かります。そもそも日本では、女性の育休取得率ですら2011年で87.8%。この数字を見ると、仕事と育児の両立で悩む女性が多いのも納得です。

 

■アイスランドは、本当に住みやすいのか?

柔軟な育休制度がある一方で、男女の賃金格差はまだ課題として残っているというアイスランド。「公務員の男女比を平等にする」制度導入や、「2013年までには、従業員50名以上の企業の取締役会の構成を男女それぞれ40%以上にする」などの目標が掲げられているとのこと。女性に優しい制度に見えますが、国内では、逆に男性への差別ではないのかという疑問の声も出ているそうです。

 

「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%まで増やす」―日本でも、男女格差是正に向けた目標が掲げられていますよね(※2)。女性のチャンス拡大と考えるか、男性への差別と考えるか。個人的には、成果を出した人が適切に評価や抜擢されればいいのではと思ってしまうのですが、そんな悠長なことを言っている場合ではなさそうです。

 

【参考】

『クーリエ・ジャポン』2012年12月1日発行, pp.58-59「アイスランドは本当に「女性たちの楽園」か?」

(※1)厚生労働省発表「平成23年度雇用均等基本調査」(平成24年7月25日付)PDF

(※2)平成17年閣議決定「男女共同参画基本計画」PDF