男女雇用機会均等法から約30年。「日本の働く女性は、幸せになったか?」をテーマに、東京大学の名誉教授にして日本を代表するフェミニストの上野千鶴子先生が最新の著書『女たちのサバイバル作戦』(※)にて鋭い切り口で論評されています。 今回は先生のお話をもとに働く女性の幸せについて考えてみたいと思います!

 

■ お母さん向けコースか、男性になりきるコースか

日本の育児休業取得率は、ここ5年連続で平均80%以上となり、産後に職場復帰する女性は増えています。しかし上野先生は、今の日本のワーキングマザーは、いわゆるマミートラック(お母さん向けコース)に乗せられ、二流の仕事しか与えられないか、男と“機会均等”に戦って体がボロボロになるかの二択しか用意されていないと指摘。

確かに筆者が仕事で関わる企業でも、管理職になっているのは独身かDINKSの女性達ばかり。育休から復帰したお母さん社員の多くが、なかなか元のペースに仕事を戻せないというジレンマを抱えています。中には目覚ましい活躍を果たす一部のワーキングマザーも出現していますが、それはある意味「特別な条件に恵まれた人達」であって、真似できない女性がいて当然でしょう。

 

■ 一度出産したら評価は頭打ち?

「子育てと仕事の両立」とよく言いますが、「両立」とは、それぞれをどのレベルで実現することなのか、実は非常にあいまいな言葉です。仕事に関して言えば、専業主婦付きで24時間働ける男性社員と戦ったら、いくら効率良く仕事をしても勝ち目はありません。

筆者も仕事柄、様々な企業の人事評価のお話をうかがいますが、出産後の女性を評価対象からはずす習慣は根強く残っています。多くの企業で、実績や成果で評価する制度を取り入れ始めていますが、出産後の女性が高い評価を得るのは至難の業。働く女性としては、しっかりと自分の「両立」のスタンスを持ち、周囲の期待に上手に応えながら、サバイバルしていきたいものです。

 

■ 活躍の場は、ベンチャー・外資・フリーランスへ

しかし、働く女性たちの活躍の場がどこにもないわけではないと思います。上記で指摘されるようなことは日本の大企業の典型事例ではありますが、全ての会社にあてはまるわけではなく、意外とたくさんの隙間があります。

例えばベンチャー企業では、経営者も若く、性別に関わらず活躍できる社風の会社も多いですし、外資系企業では個人の成果が重視され、年功序列や性差でキャリアが阻まれることも少ないでしょう。また、専門性を身につければフリーランスや起業といったスタイルで組織に属さずに働くこともできます。

働く女性の選択肢が増える中、仕事で実力をつければ、きっと道は開けるはず! 自分が幸せになるワークスタイルを、是非実現していただきたいと思います。

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]

 

【参考】
※ 上野千鶴子(2013) 『女たちのサバイバル作戦 (文春新書 933)』 文藝春秋