「ブラック企業」という言葉は耳に馴染みましたが、今年は「ホワイト企業」という言葉が登場。従業員に度を越した残業を強い、使い捨てを厭わない「ブラック」の反語、「ホワイト」です。さまざまな情報から、ホワイト企業を見つけるヒントを探しました。

 

■ 新卒定着率の高さ

今年4月に東洋経済新報社が、自社で調査したCSR企業ランキング。これをもとに新卒の定着率ランキングを作成し公表(※1)したことが、ホワイト企業という呼び名に注目が集まったようです。CSR、つまり企業による社会的責任を果たす取り組みを調べたものですが、新卒定着率の高さは人材活用の重要な評価項目のひとつなのだとか。

発表によれば、CSRに力を入れている企業を対象としたためか、全体の定着率の平均は86.0%。一般に、新卒学生の4割近くは3年以内に辞めるといわれるため、CSRに力を入れる企業は人材活用にも力を入れていると、考えることができそうです。

 

■ 「働きやすい」より「活躍しやすさ」

東洋経済オンライン(*2)が、経済産業省室長、坂本里和さんによる『ホワイト企業 女性が安心して働ける会社』の出版に際したインタビューを掲載。それによれば、つい目がいく「働きやすさ(長期育児休暇、短時間勤務などの制度が整っている)」以外に、以下をチェックしてほしいのだそうです。

  • 女性パワーによるヒット商品がある
  • 女性の管理職比率が高い

すなわち「活躍しやすさ」に注目してほしいと、坂本さんは語っています。多様な人材を活用できない組織は、ゆくゆくは市場から自然淘汰されるとも。

 

■ 長時間労働を改善したか?

ところで、日本企業は大企業を中心に、育児支援にかかる制度が整っているほうなのだそうです。そのため、坂本さんは女性の活躍を妨げる真の理由を、全社的な長時間労働にあるとみています。これを解決しないと、育児支援にかかる制度は福利厚生の充実で終わってしまうのだとか。

 

確かに、長時間労働の解決は、男女の区別なく従業員にとって共通の課題。にもかかわらず、業務のやり方は変えられない・残業を免除されるのは「子持ち」だけとなれば、制度を利用した者勝ち! になるようなものです。そうすると、「あの人は特別だから」などと職場の士気に影響が及んだり、それを防ぐためにワーキングマザーだけを集めた部署を作り、負荷の軽い仕事を与え……などということも想像に難くありません。

誰もが効率よく仕事を進める、そんな意識の高い企業こそが、「誰もが活躍しやすい」ホワイト企業といえそうです。そうした企業で働くには、わたしたちも仕事の生産性を高める意識を持ち、腕を磨かなくては。う~ん……。なかなかに高いハードルですね?!

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) ]

 

【参考】
※1. 『東洋経済オンライン』2013年4月1日「新卒離職率が低い、ホワイト企業トップ300」
※2. 『東洋経済オンライン』2013年12月12日「女性にとってのホワイト企業とは何か?」
※ 経済産業省(2013)『ホワイト企業 女性が本当に安心して働ける会社』文藝春秋