出産した女性を待ち構えているのは、休む間もない育児です。授乳や夜泣きなど、赤ちゃんの世話で身体もヘトヘト。わが子はかわいいけれど、心身の疲労から急に涙があふれ、夫に八つ当たり。気がつくと育児ノイローゼ一歩手前なんてこともあるのです。

 

■ 育児中の親の半数が、「育児ノイローゼ」に共感

NPO法人「子育て学協会」が実施した「幼児期の子育てに関する悩み」に関する調査(※)では、「育児ノイローゼに共感できる」という設問に「はい」と答えた人が全体の48.9%。つまり半数近くが育児ノイローゼを理解できるとしています。

とくに初めての育児は、慣れないことばかり。授乳は足りているのか、なかなか眠らないけれど、他の赤ちゃんはどうなのだろう。こんなとき、相談できる人が近くにいたら心強いですよね。

先述のアンケートでは、相談相手は「自分の両親」と答えた人が76.8%いますが、両親といっても大半は母親と考えるべきでしょう。なんといっても、育児の経験者なのですから。

しかし、実はこの母親の存在が、育児ノイローゼの原因になるケースもあるのです。

 

■ 育児のダメ出しで、娘を否定する母親

生後5カ月の赤ちゃんを連れて、筆者のカウンセリングルームに来られたC子さんは、椅子に座るなり涙が止まらない状態でした。出産後、実家にしばらく滞在していたそうですが、育児にあれこれ口を出す母親と一緒にいることが耐えられず、早々に自宅に戻ったと言います。

「私があまり食べないから、おっぱいの出が悪いとか、赤ん坊を寝かしつけるのが下手など、全てにダメ出し。そんなとき、ふと思い出したのです。子供の頃から、いつも母に否定されていた。それが再び繰り返されていることに」

検診のため病院通いをしていたときに知り合ったママ友の様子も、C子さんが精神的に追い詰められる原因のひとつになりました。

「実家の母が、赤ちゃんの世話や食事作りもしてくれるから楽、なんてメールが送られてくるたびに、どうして私だけ、こんな思いをしなければならないのだろうと余計つらくなる」

その後、遠距離で暮らす姑がしばらく同居してくれたことで、C子さんは体を休め、心も落ち着いたといいます。

 

たしかに、実の母は頼りやすい存在ですが、C子さんのように育児ノイローゼにつながることも。嫁姑の関係の方が、お互い遠慮もあり、かえってうまくいくのかもしれません。

[執筆:真香(母娘問題カウンセラー), 2014年4月24日 ]

 

【参考】
NPO 法人子育て学協会「幼児期の子育てに関する悩み」2014年3月5日