アドラー心理学をテーマにした『嫌われる勇気』(※1)が、40万部を超えるベストセラーになっているとか。「嫌われる」というタイトルにドキッとし、筆者も書店でこの本を手にとった一人。これだけのベストセラーになったということは、筆者と同じように「嫌われる」ことを恐れ、気にしている人が少なくないのだろうと思います。

 

■ 7割の人は、職場で嫌われることが怖い

『ダイヤモンドオンライン』の記事に、「職場における嫌われる勇気」に関する調査が紹介されています(※2)。調査によれば「あなたは、職場で嫌われることが怖いですか?」という問いに対し、68.5%が「はい」と回答。男女別では、「はい」と回答した男性は64.1%、女性は73.4%となっており、女性の方が嫌われることへの恐怖をもっているようです。

この調査では、嫌われたくない理由として「嫌われると、仕事が円滑に進まなくなる」「必要なときに助けてもらえない可能性がある」など、嫌われることによる、業務遂行の支障を心配する声がありました。

たしかに、仕事はチームワークや協調性が大切だとよくいわれます。ですから、職場で嫌われることによって、同僚や上司や後輩の協力を得られなくなるのではないか? と思うのも当然かもしれません。

 

■ AKB48の育ての親が語るには

AKB48の育ての親として知られるダンスプロデューサーの夏まゆみさんは、著書『エースと呼ばれる人が何をしているのか』(※3)のなかで、プロとして良い仕事をしようと思うなら「もっと個人になりなさい」と語ります。元AKB48の前田敦子さんの例を出しながら、エースと呼ばれるくらいハイパフォーマンスな仕事を成し遂げたければ、相手の顔色をうかがい横並びで嫌われないように仕事をするのではなく、時にぶつかり合ってもプロとして高い成果を目指さねばならないと。

プロとしてぶつかり合うことは、嫌われることとは違います。高い成果を出すために大切なのは、協調することではなく「目的を共有」することなのです。

 

そうはいっても、今のあなたの職場が「好き/嫌い」で仕事への協力態度を変えるような人の集まりだったら、あなた一人が高い成果を出そうと奮闘しても、空回りしてしまうかもしれませんね。でも考えてみてください。目的を共有して高い成果を出そうとする人を批判する職場・企業は、今後も成長していけるでしょうか。高い成果を出そうとする人を批判する会社であれば、自分から見切りをつけたっていいのです。そう思えば気が楽になりませんか?

[執筆:菅野彩子, 2014年11月10日]

 

【参考】
※1. 岸見一郎, 古賀史健(2013)『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』ダイヤモンド社
※2. 宮崎智之『ダイヤモンド・オンライン』「もしもあなたが職場で「嫌われる勇気」を持てたら 嫌われて出世する人、ダメになる人の違いを大調査」2014年9月19日
※3. 夏まゆみ (2014)『エースと呼ばれる人は何をしているのか』サンマーク出版

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