仕事との両立が厳しいライフイベントというと「子育て」はすぐに思いつきますが、実は今後気をつけなければいけないのが介護。いつまでも元気でいると思いたいのが子どもの心情ですが、日本生命の調査によれば、75歳以上の後期高齢者の要介護割合は29.4%と、65歳から74歳の前期高齢者4.2%の7倍になっています(※)。

では、いざ、介護が身にふりかかった時には仕事を休めるのでしょうか? 今回は、子育てと介護における、仕事との両立の違いについて考えたいと思います。

 

■ 子育てでは「産休・育休」…でも介護は?

家族に介護が必要になった場合は、出産と同じように休業することができます。

しかし、法令で定められた期間は、育児の約1年に対して介護は93日と3カ月ほど。介護にかかる期間は平均で4~5年といわれていますが、それを考えると非常に短く感じます。それは、休業する目的が育児と異なるため。介護は育児のように休業期間に直接本人が育児を担うことを想定しておらず、あくまで病状が安定して今後どんな介護が必要かを見極め、施設や介護サービスを利用する準備をするための期間だからです。

育児のように、確実に成長して手が離れる子育てと違い、始まりも終わりも見えないのが介護。仕事と両立するには、自分が全てのお世話をするのではなく、専門機関に委託しながら生活する体制を作ることなのです。

 

■ 両立すべきキャリアが異なる?

出産年齢を考えると、育児と仕事の両立がふりかかるのは、20~30代中心と年齢的にも若く、キャリア形成の視点から言えば成長期。仕事経験を積みながら自己研鑽をする時期として重要ではありますが、まだ責任がそれほど大きくないのも事実。まずは上司と調整しながら両立することになります。しかし、介護が本格化するのは40~50代とキャリア人生も後半にあたり、管理職となっている可能性も高く、あらゆる場面で責任の重い立場にもなってきます。親でも子どもでも大事な家族に変わりはありませんが、両立すべきキャリアや影響度を考え、その比重を決める必要がありそうです。

 

いかがでしたでしょうか? 筆者も昨年17年間の療養・介護生活の末、実父を見送りました。実家の兄弟に主な介護は任せていたものの、地方と東京を行ったり来たりで時間はどうしても足りません。仕事・子育て・介護、すべて同時には不可能に近いと実感しました。自分と子どもの未来も大切にし、ある程度は心のふんぎりをつけることも重要でしょう。ご両親が元気な方はぜひ、母の日、父の日に向けて親孝行を!

[ 執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー), 2015年5月3日 ]

 

【参考】
日本生命保険相互会社「第28回 大介護時代の到来~後期高齢者の約3割が要介護?10年後には団塊世代が後期高齢者に」2012年6月1日