「違う会社で同じ仕事がしたいんです」 「もっと専門性を持って幅広く携わりたいです」。

これは転職の相談に来る人たちからよく聞く言葉ですが、みなさんも思ったことがあるのではないでしょうか。今回は、同職種に転職を希望する人が陥りがちな落とし穴について解説していきましょう。

 

辞める前の研究が重要!

まず、経験があると未経験職種よりも比較的転職はしやすいのは事実です。人材紹介エージェントなどにも登録しやすく、紹介もスムーズに行くかもしれません。ただし、辞めてから研究するのではなく、ぜひ辞める前に「仕事の研究」、「会社研究」の時間を持つことをお勧めします。なぜかと言うと、同じ職種でも、会社規模によって1人に求められる業務内容は大きく違うからです。

例えば、30代のAさん、数千人規模の大企業で総務部の仕事をしていましたが、最近は管理職候補として営業部門への異動を打診され、総務系の仕事を深めたいと転職を考えるようになりました。会社にいたのでは忙しく活動のひまもない、と辞めてから求人を探すようになったAさんは愕然としました。総務の仕事の求人には、Aさんが行っていたような出張申請処理やスケジュール管理、社内行事の企画イベントなどを求めている会社はほとんどなく、社会保険業務、給与計算等の業務ばかりだったのです……。

 

中小規模の企業の仕事内容、組織をもっと知ろう

大企業は、例えば「総務」と言っても業務内容は多岐にわたり、細かく分担が分かれていることも多いものですが、即戦力の正社員の転職者を求めている中小企業では、1人が何役も行うことが多々あります。Aさんは前職と同じような規模の同じような仕事に就きたいのか、それとももう少し小さい規模の会社で幅広く総務職の専門家になりたいのか、辞める前に考えて調べてみるべきですね。

紹介エージェントに登録して情報を収集することもできるでしょうし、総務職の専門性を深めたいのなら、中小規模の会社にどんな仕事が求められていて、どんな資格や勉強をすると有利なのか、資格学校などを調べてみることもできます。

また、みなさんの会社には異動の希望を出したり、能力開発をサポートするような環境はないでしょうか? 辞めてからではできないこともたくさんあります。会社にいるうちに充分研究して、やりたい仕事の準備を進めてからでも遅くはないと思いますよ!

[執筆:渡部 幸(コーチ/キャリアコンサルタント ), 2015年7月16日]

 

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