とても頑固な後輩に、いま行っているやり方を納得して修正してほしい時。あなたは、上手く説得するのが難しいと思いませんか? 「難しい」と思っている人も多いかもしれませんね。コツを聞きたいと思う人も、きっといるでしょう。

今回は、そんなときに役立つ相手の心理を応用した話し方のポイントをご紹介したいと思います。

 

■ まず相手に「イエス」を何度も言ってもらう

あなたは意識しなかったかもしれませんが、実は前の文章で、筆者はすでに、ある方法を試してみました。わかりましたか?

それは「話し始める段階で、相手が“イエス”を言うだろう質問、言わざるを得ない質問や言葉の投げかけを何度か繰り返す」ことです。

前の段落の「説得するのが難しいと思いませんか?」という質問に「いいえ、簡単です。」と答える人はそうそういないでしょう。次に「難しいと思っている人も多いかもしれませんね」と言われると、人は大抵「そうだな。多いだろうな」と思うでしょう。3番目の「コツを聞きたいと思う人も、きっといるでしょう」についても、この記事を読んでいる人ならまず「はい」と思うのではないでしょうか。

これは、“イエスセット”と呼ばれる手法です。相手が一旦「ノー」と言うと、それを引っ込めるのはなかなか簡単なことではありません。ですから、最初に「イエス」を言ってもらうようにするのです。人は相手の言うことに「イエス」を重ねていくと、どんどん心理的にも、脳の働き的にも肯定感が高まり、「ノー」を言うことが難しくなっていきます。

 

■ 実際には、どのように使う?

では、頑固な後輩を説得してみましょう。こんな問いかけをしてみたらどうでしょうか?

「このやり方、良く考えられていてすごく計画性があるよね」
「しかも相手のニーズが分からないうちに、こんなに具体的な提案を考えるの大変だったでしょう?」
「今度は相手の要望がはっきりしてきたから、それに合わせて提案を変化させるのは、この内容に詳しいAさんにとっては楽になったんじゃない?」

 

Aさんは、自分の状況や頑張りをわかってもらえている気分になり、「このやり方じゃ相手の要望に合っていないから修正してくれる?」などと言われるよりも、ずっと納得しやすくなったのではないでしょうか。

相手と話す前に、ぜひ相手の立場や気持ちになって、「イエス」と言ってくれる質問を考えてみましょう!

[執筆:渡部 幸(コーチ/キャリアコンサルタント), 2015年11月5日]

 

※写真:Sergey Nivens / PIXTA、本文とは関係ありません