夫婦ふたりで働いて家庭を支える時代。働く女性が当たり前になってきた今、結婚や出産・育児の考え方も変化してきているように思います。前編では高齢で出産・育児をすることのメリットをご紹介しました。後編では、デメリットと、あくまでファイナンシャル・バイオロジカルな観点からパートナーの年齢について考察してみようと思います。
■ 将来が不安
40歳で出産したとすると、子供が大学を卒業する頃には親は62才。この年齢まで養育費を支え続け、自らの老後にも備え、そもそも自分が働き続けられるのかという不安も生まれます。さらに、ライフスタイルに合わせて住み替えたいと思っても、40代になると35年の住宅ローンを組むことすら難しくなります。
この不安を解消するあくまで理論的な選択として、「自分より年齢の若いパートナーをもつ」ことを考えてみます。あなたのパートナーが自分より10歳若いとします。そうすれば、子供の大学卒業時にもパートナーの年齢は52才で、まだまだ働き盛り。ついでに、女性の方が寿命も長いので、男性が若い分一緒にいられる時期も長いかもしれません。
■ 遺伝子情報伝達異常のリスクが不安
これから妊娠を考える人には耳が痛い話ですが、残念ながら高齢になるほど、生まれてくる子どもがダウン症等の障害をもつ確率が高まるという統計データがあります。これは、遺伝子伝達時もしくはその前の遺伝子情報異常が原因とされています。今までは女性側のみの高齢化が問題視されていましたが、男性側も高齢化により遺伝子異常を伝える可能性が高くなることが最近の調査でわかってきました。
アイスランドにおける調査では、両親にはない子供の遺伝子の異常の数を数えたところ、父親の年齢が1歳あがるごとに、子供に伝わる遺伝子の突然変異の数が2個増えたといいます。一方で、母親由来の突然変異の数は母親の年齢によらず一定だったことが判明。母親由来の卵細胞は、母親自身がまだ生まれる前の短期間に、一生分の卵子を生み出すための細胞分裂を終了しているのに対し、父親由来の精細胞の分裂は、父親が生殖可能な期間中、無限に続くため、その間に変異を蓄積しやすいことが理由だとか。つまり、母親よりも父親の高齢化のほうが深刻だとも言えます。ということは、若い男性のパートナーを選ぶことで、子どもが先天的な障害をもって生まれてくるリスク軽減になるかもしれません。
いかがでしょうか? 自分より若いパートナーと結婚することで、少し不安が取り除けそうでしょうか。
最後に、この記事で紹介したのはあくまで30歳を過ぎてからのライフプランの選択肢のひとつです。結婚や出産はまぎれもなくご縁のもの。ご自身の選択がベストであることには変わりません。仕事で輝く女性たちが、バイオロジカルなリミットを気にして将来を悲観するのではなく、医療が発達した現代であればこその自分らしい選択ができたらと思っています。
[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー)]
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【参考】
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