ビジネスの場で、主張を通そうとすると、決まって反対の意見が出る。「ワタシの主張は絶対に正しいのに…。なんでわかってくれないの?」そう思った経験をもつ女性は多いのではないでしょうか。
今回は、今話題のDJポリスの例を参考に、「理論」だけでなく「情」(エモーション)に訴えることで、戦略的に自分の主張を実現するやり方を考えてみましょう。
■ わかっちゃいるけど…
アタマではわかっちゃいるんだけど、何となく行動に結びつかない、そんな経験は自分にもあるのではないでしょうか? 「理論的に説明されて、確かにそうだけど…、でも」という逆説の言葉で、つい反論。子供の頃、先生や両親に言われても、なんだかそのまま納得できなかったことに対して、「だって~ 」と駄々をこねた昔の自分を思い出します。
人は、頭で理解しただけでは必ずしも動くことができないようです。
■ 「情」への訴えかけも大切
実際の行動に結びつけるには、「感情」も一緒に同じ方向を向くことがポイントです。
今話題のDJポリス。朝日新聞の天声人語欄にも「理より情への訴えが、共鳴を呼び起こした」との表現がありました。数式や統計で正解を導くことが得意な理系の女性も、理論だけでなく、細やかな感情にも働きかけられたら、説得力も倍増。自分だったら、どう言われたら行動に移せるかと考えてみることも、時にはいい勉強になりそうです。
■ 人の心に響く、琴線に触れる言葉や態度を心がけて
正義感にあふれる理系女性。データの裏付けもしっかり、根拠を明示して正論を展開します。でも、それがむしろ仲間や上司、部下の反感をかってしまうケースも残念ながらあるようです。受け手の心に響く、相手の琴線に触れる言葉や態度を心がける。一歩引いた、柔軟な戦略が活用できるようになれば、自分の主張の実現可能性もアップするはず。
共鳴を起こすための好例として、DJポリスに拍手を送りつつ、その戦略を見習ってみませんか? あなたのステップアップ、期待しています!
[執筆:永合 由美子(理系キャリア・コーチ) ]
【参考】
※『朝日新聞』天声人語 2013年6月7日