Close
30歳過ぎての出産・子育ての落とし穴【働き方編】
Home » お金・生活 » 30歳過ぎての出産・子育ての落とし穴【働き方編】

30歳過ぎての出産・子育ての落とし穴【働き方編】

前回は、「30歳過ぎての出産・子育ての落とし穴」として結婚前後のお金の貯めどきをご紹介しました。今回はキャリアについてご紹介します。ファイナンシャルプランナーがキャリアを語るのは変かもしれませんが、マネープランの重要な要素である「収入」はキャリアによって変化します。家計を考えることは、キャリアについて考えることでもあるのです。

 

■ 産後キャリアの収入面

で重要なこと

学校卒業後、就職して定年まで働くのが男性の一般的な働き方だとすると、女性の場合は、“M字カーブ”を持ち出すまでもなく、出産前後でキャリアチェンジする方が少なくありません。

産後キャリアの収入面を考える上で、重要なのはこの3つです。

  • 独身時のキャリアと安易に比較して落ち込んだりしない
  • 一時の収入ダウンや高い保育料にめげない
  • 長期的な視点を持ち、働き始める前の準備・戦略を怠らない

出産・子育て経験はマイナスではなく、絶対に仕事に活かせます!

 

■ 産後のスローキャリアはキャリアダウンではない

育休明けに陥りやすい例として、以前のように働けない自分にいらいらしたり、同期との待遇の差を感じての意欲喪失が挙げられます。

でも、視点を変えてみて下さい。残業無しで頑張っているあなたの、時間に対する業務効率はきっと上がっているはず。お客様との面談は減っても、子育て女性のリアルな共感をもとに製品・サービス提案するなど、仕事に提供できる価値は格段にアップしていると思いませんか。

スローキャリアというと、のんびり働くイメージを浮かべやすいと思いますが、ここで言うスローキャリアとは「無理せず特技を活かす」「時間効率を上げ、バランスを取る」働き方のこと。仕事への意欲を保ち、今の業務を精一杯担当することで得るものはたくさんあります。今の経験はまた、復職後の女性部下を持ったときにも役立ちます。

 

■ 専業主婦の立場をフル活用して、長期的なキャリア構築を!

出産を機に家庭に入り、子の小学校入学をめどにパートで働きだす方も多いですね。ママの収入が増えれば家計は助かりますが、長期的にみると実は得策ではない場合があります。

マネープランを考えると、パートと正社員の間にはまだ深い溝があります。そう、生涯収入が増えるかどうかについても考えて欲しいのです。

ファイナンシャルプランナーとして家計相談をお受けしている事例では、奥様の前職が専門領域を活かした業務だった場合、あえてすぐに働かず、関連資格を取ってから就活する。仕事で培ったスキルや経験をキーに仕事を見つける。そのほうが好待遇を得られたり、後々の収入アップに結びつくケースが少なくないようです。

家計相談において、ご主人の給与カットで、持ち家を処分する寸前まで追い詰められたご一家がありましたが、奥様がパートで働いていた業務がキーとなり見事に正社員採用、家計を持ち直したケースもあります。

 

“産後の働き方”の収入面は不安や変化はつきもの。でも、がっかりしたり、焦ったりする必要はありません。今持てる経験やスキルをプラスに活かすことで、必ず道は開けます!

[執筆:海老原 政子(ファイナンシャルプランナー)]

Close