“子どもができない”といえば、まだまだ女性側の問題としてイメージされていることが多い日本。昔ほどではありませんが、なかなか子どもができないことで、親族から冷ややかな目で見られたり責められたりして、二重のプレッシャー闘っているという方もいらっしゃいます。でも、実は子どもができにくいのは必ずしも女性だけの問題ではありません。WHO(世界保健機構)では不妊の原因の約半数は男性側にあると発表しています。実際に、10人に1人は精子をつくる機能や精子に何らかのトラブルがあるともいわれています。
■ 韓国、中国でも男性不妊が深刻化
男性不妊に関する報道が少しずつ増えてきた日本では、少しずつ男性不妊そのものが認知されるようになってきました。そんな中、韓国と中国からも男性不妊についての最新事情が飛び込んできました。
- 韓国の男性不妊症、7年間で2倍に増加 (6月11日 朝鮮日報)
- 不妊症の人4000万人超、男性の割合が年々拡大 (5月23日 新華経済)
韓国では、2004年からの7年間で男性不妊症と診断された人の数が、4万199人に増加し、約2倍になったとのことです。専門家たちは患者急増の原因を「精子の数の減少や生産力の低下」、「生殖器官の異常」と発表しました。一方、中国でも、今年に入って不妊症患者が4000万人を超え、その内の4割以上は男性不妊であると発表されました。新華経済の報道によると、無精子症や射精障害の人は約1346万人にのぼり、上海市では少なくとも10万人の男性が子作りに何らかの問題を抱えているとのことです。
■ 労働環境、生活習慣と不妊の関係
不妊を招く原因として、韓国では
- 過酷な業務に伴うストレスの蓄積
- 長時間の座り仕事
- ファッショントレンドの変化
を挙げています。
中国でも、
- 慢性病や環境
- 徹夜などによる緊張感
- ストレスによる内分泌失調
- 晩婚や高年齢での子作り
- 喫煙・飲酒、規則正しくない生活
などを挙げています。
どれも共通して精子の量、質、活着率を大きく左右します。不妊症にならないために最も大切なのは、規則正しい生活を送ること。これは不妊症の予防だけでなくあらゆる病気のリスクを防ぐことにも共通します。ストレスを溜めないことも同様です。
バランスのとれた食生活、運動、睡眠、自分なりのストレス発散方法や趣味など、日ごろから意識しておきたいポイントです。
[執筆:渡辺 さちこ]
【参考】
※「韓国の男性不妊症、7年間で2倍に増加」朝鮮日報(2013年06月11日)
※「不妊症の人4000万人超、男性の割合が年々拡大 ストレスなど影響―中国」新華経済(2013年05月23日)