前編では、女性の起業目的の特徴と事前準備のポイントをお伝えしました。後編では、女性が起業した後の実態に迫ります。
■ 女性の廃業率は男性の2倍
平成19年に公表された厚生労働省(※1)の調査によれば、女性は男性よりも起業の実現率は高いものの、廃業率は男性の2倍の高さだとか。その理由としては、起業前の就業経験の不十分さ(管理職経験が乏しいなど)、起業や経営の知識・ノウハウの不足、家事育児の負担が多いため継続が難しい、などが考えられています。
最近では、女性だけを対象にした創業支援セミナーなどを自治体が開催する様子も見かけますが、廃業率が高い状況はあまり変わっていないのではないでしょうか。その理由を、前編でご紹介した女性の起業目的に着目して推察してみましょう(※2)。
■ 収入を増やすことは二の次
起業目的第3位は「収入を増やすこと」、2位は「趣味や特技等好きなことを活かすこと」でした。つまり自分らしい生き方を求める自己実現型が、女性起業家の特徴と言えそうです。
ということは事業で儲からなくても、“結果よりプロセスが大事”とか、“会社勤めでは得られないよい経験になる”などと考える傾向が、女性は男性より高いのかもしれません。その謙虚さ、言い換えると腰のひけている姿勢が、女性起業家をフェードアウトさせる理由かもしれません。結果にもっとこだわりを見せてもいいのではないでしょうか?
■ 他者分析
結果にこだわるためには事業目的を明確に。そこで、他者分析が必要です。前編で触れた自己分析3つめのポイントは、あなたの「強み」は他人(=同業者)より高いレベルでできますか? でした。自信を持ってYes! と言えるとしても、次の2点を確認しましょう。
- その「強み」は、他人が期待することと一致しますか?
- その場合の他人とは、誰ですか?
創業支援センターなどの専門家はベテラン男性が多く、敷居が高いと感じるとの声も聞きます。ならば、しっかりと自分の「強み」について整理し、自信を持って専門家に相談できるよう、キャリコンサルタント(キャリアカウンセラー)をうまく活用してはいかがでしょうか?
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[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) ]
【参考】
※1. 厚生労働省 「平成18年版働く女性の実情 概要」P.4 PDF
※2. 経済産業省 「平成22年度女性起業家実態調査」P.39 PDF