2013年7月末、経営者や学識者でつくる日本生産性本部の第2回「職場のコミュニケーションに関する意識調査」結果が公開されました。
部下である一般社員の57%が、叱られると「やる気を失う」と回答。一方、課長クラスでは89%が「叱ることは育成につながる」と回答しました。また、「部下を褒める」と回答した課長クラスは80%に対して、「上司が褒めてくれる」と回答した一般社員は51%でした。
■ 上司と部下で意識にギャップ
一般社員と課長クラスの双方とも、「コミュニケーションは取れている」と約8割が回答していましたが、「部下を叱る、褒める」ことについては、両者の意識には隔たりがあるようです。
自分を振り返り、上司との意識・部下との意識、その差異を考えてみることも重要かと思います。「そんなつもりじゃなかった」「わかってくれていると思ったのに…」と感じた経験は、業種・職種問わず、きっと誰にでもありますよね。
■ 「育成」という目的達成に向けた戦略の見直し
上司は、部下の育成のために叱っていると主張しても、部下は同じように受け取っているとは限りません。むしろ育成には逆効果のこともあるようです。「育成」が目的なのに、手段が間違っているとしたら? 効果的に目的を達成するための戦略がきちんと練られているのか、見直しが必要です。
■ しなやかな叱り方・褒め方でWin-Winの関係づくり
相手も尊重しながら、自分の目的も達成する、アサーティブなコミュニケーション。お互いがWin-Winの関係となるように、相手への気遣いも忘れない上司と部下の関係構築を目指したいものです。ここは、コミュニケーション上手な女性ならではの腕の見せ所とも言えるでしょう。
とくに、データや実験結果を大切にする理系女性ならば、感情はコントロールしながら客観的な事実で双方の理解を深められるはず。相手を理解した上で、切磋琢磨しながらのタフな人材育成を戦略的に達成していく。そんなしなやかな叱り方・褒め方の達人がたくさん誕生することを期待しています!
[執筆:永合 由美子(理系キャリア・コーチ)]
【参考】
※公益財団法人 日本生産性本部 (2013年07月24日発表 「日本の課長と一般社員~第2回」『職場のコミュニケーションに関する意識調査』