映画のテーマになるくらい身近な「謝罪」。仕事で失敗し、自分の非が明らかなときだけでなく、言いがかりでは!? とすら感じるときでも、まずは謝罪。そのような状況は誰にでも起こり得ます。社会人として備えておきたい謝罪、すなわちお詫びのコツが、日本経済新聞(*1)に掲載されていたのでご紹介します。
■ お詫びの基本
記事に登場した専門家は、お詫びの基本スキルとして「LEAD法」を提唱しています。それは、以下の4つのステップによる解決策だとか。
L(リッスン)=傾聴 相手の主張をじっくり聴き、原因を見つける
E(エクスプロール)=探求 相手の話を基に、失敗の原因などについて掘り下げる
A(アナライズ)=分析 掘り下げた問題点を基に、どう対処すべきか検討する
D(ドゥ)=実行 検討した対応策を実行に移す
記事に示された各ステップのコツで、特に重要だと筆者が思うのは、次の2つ。
L=相手の主張をじっくり聴き、相手が言いたいことを最大限引き出すこと。そうするうちに、相手の怒りが徐々に収まる効果も期待できる。
A=きちんと責任を負う語尾。たとえば「~と思われます」のように婉曲な、ともすれば他人事に聞こえかねない語尾ではなく、「私は~と考えています」。
■ お詫びの達人とは
なるほど!“クレーム対応は嫌だけど、わりと得意”という方のお話を聴くと、ほとんどが、「まずは相手の話を聴くこと。」と仰います。それは前述のように重要なことですが、語尾まで気を遣い、責任から逃げていないと相手に感じさせる表現を使うことこそが、難しいと感じました。あなたはどのように感じますか?
私たちは、他者がしたことで叱られるときは特に、「~と思われます」と言ってしまいがち。実際に自分がしたわけではないですからね。けれども、そのようなときこそ、責任から逃げない表現を使いこなし、適切に対処したいもの。
たまたま出た電話がクレームだった、というケースも想定されます。相手に「デキる!」と思わせるお詫びのコツを身につけ、あなたの対人対応力に磨きがかかりますように!
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※ 『日本経済新聞』 2013年10月8日 「おわびはチャンスだ」