女性がアラサーを迎えて10年くらいは、多様なライフスタイルの岐路に立つ時期。ワークライフバランスという言葉が広まったためなのか、独身女性から「仕事も結婚も両方持ってない私は…」や、「結婚の予定はないけれど、いつかは産みたいから産休の取りやすい会社に転職したい」などとキャリア相談されることも少なくありません。あるいは、既婚女性から、「不妊治療と転職活動と、同時に進めるにはどうすればいい?」という相談も。
それもこれも幸せな人生を考えるために必要な悩み。ですが、自分を追いつめていませんか? と、キャリアコンサルタントとしては気になります。幸せには、結婚や子どもが必須なのでしょうか?
■ 「おひとりさま」は女の幸せではない?!
明治安田生活福祉研究所が発表した資料(※)によれば、女性が自分を幸せだと感じるかどうかについては、パートナーの存在が大きく関係するそうです。例えば、夫のいる人の54.4%が幸せを感じるのに対し、結婚歴のない人は26.8%。恋人がいる人の40.4%は幸せを感じるのに対し、恋人のいない人は22.6%でした。
また、職業別では、専業主婦の57.9%が幸せ。働く女性では、会社員(正社員をさすと思われます)の40.3%が、派遣社員・パート等の38.5%が幸せと回答。
雇用形態による幸せ度に大差なく、夫の存在が幸せ度に大きく貢献しているのです。ひとりじゃない、と思えることが、幸せ感につながると思われます。
■ 幸せのために最も必要なもの
前述の調査では、幸せかどうか自己評価の高い女性と低い女性とに、「幸せのために最も必要なもの」を尋ねています。
【夫ありの場合】
・自己評価が高い女性:
パートナー(36.8%)、健康(29.0%)、子ども(11.8%)、お金(8.5%)
・自己評価が低い女性:
お金(28.2%)、健康(21.5%)、パートナー(13.4%)、子ども(9.4%)
【未婚の場合】
・自己評価が高い女性:
パートナー(31.9%)、健康(20.5%)、お金(14.1%)、安定した仕事(7.6%)
・自己評価が低い女性:
お金(34.9%)、パートナー(22.3%)、健康(14.3%)、安定した仕事(6.3%)
「私は幸せ!」と自分にOKを出せる女性には、未婚既婚を問わず、パートナーや健康を第一に選ぶ傾向が共通しています。つまり、ごく身近な存在や、一見当たり前なことを大事にできるかどうか。ここに、幸せのヒントがありそうです。
ところで、冒頭の相談例は、それぞれが幸せな人生を考えるための真剣な悩み。望みどおりになるよう願いつつ、望みどおりにならなかったとしても、どうか落ち込まないで。自分にOK! と言えるネタ探しを、キャリアコンサルタントも手伝いますから。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※ 明治安田生活福祉研究所, 「女性の幸せに関する意識調査」(2011年12月12日発表)PDF