転職相談を利用する方の5人のうち3人は、職場の人間関係に行き詰まりを感じて転職を考えているのだと実感しています。お話を伺うと「そりゃぁ、相手の態度も相当ですね」と共感を持つこともしばしばで、必ずしもご本人に100%問題があるわけではありません。
けれど、同じ職場で全員が転職を考えるかといえば、そうではないわけで……。上手に人間関係を築き、いつでもハツラツとしている人もいますね。そういう人たちの特徴を「マイナビウーマン」が調査(※)したので、一緒に見てみましょう。
■ 人間関係に悩みのない人の共通点トップ5
調査は、人間関係に悩みのない人の自己認識ではなく、周囲からみた人物像。その人物像は、以下のとおりでした。
- 1位 マイペース
- 2位 プライベートが充実している
- 3位 キャラが確立している
- 同じく3位 信頼できる同僚がいる
- 5位 よいしょがうまい
■ 鈍感さは必要センス
5位は、ちょっとした嫉妬が反映されているようにも感じますが、1~3位の回答内容には、羨望のまなざしを感じます。
1位、3位(キャラの確立)から受ける印象は、周りに左右されることなく「自分らしさ」を表し、「自分らしく」いることができる人。それは、相手の反応にちょっと鈍感、あるいは変化に気づかないからこそ、「いつも自分らしく、揺らがずにいられる」と言い換えられそうです。
ということは、「鈍感さ」はご機嫌な気分で働き続けるために必要な、ビジネスセンスなのです。
■ モナリザ・シンドローム
一般に、女性に特有の気質は、細やかさ・気配りであるといわれるため、鈍感さも必要なセンスと言われたら、びっくりするでしょうか? 気配りなどが、真に相手のためを思う気持ちから生まれて、自分がつらくなければ、素晴らしいことですね。ただし、自分がつらいときには、今の状態を自分が作り出していないかどうか、自分に尋ねてみるとよいでしょう。
私たち女性には、誰にも好かれようとする意識・心理傾向があるのだとか。これを、ドイツの心理学者ウーテ・エーアハルトは「モナリザ・シンドローム」と呼びました。職場の人間関係に悩むとき、相手に嫌われたくないのに……という本音がありませんか?
その本音そのものを否定する必要はありません。しかし、職場のすべての人から好かれることは、可能なのでしょうか? 職場には、うまの合う人も合わない人もいるものではないでしょうか?
人間関係で悩まない根本的なポイントは、相手から嫌われたくないという意識に縛られ過ぎないこと。そうすれば、相手の反応を気にし過ぎることもなく(つまり鈍感になり)、自分らしさを損なうことも少なくなるでしょう。嫌われる可能性を受け入れることは勇気のいることですが、あなたが、どんなときでも「自分らしく」いられますように。筆者も、そんな自分をめざします!
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) ]
【参考】
※『マイナビウーマン』「会社の人間関係に悩みがない人の共通点」(2013年12月10日)