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待機児童はその後どうなった? 異議申し立てから一年
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待機児童はその後どうなった? 異議申し立てから一年

昨年、認可保育所に入れなかったパパママたちが立ち上がって、区役所に異議申し立てを行いました。昨年の異議申し立てをしてから一年。今年も昨年同様、保育園に入れなかったパパママたちが異議申し立てをしています。

この一年で、待機児童問題はどのような変化があったのでしょうか?

 

■ 保育施設は増えたけれど、待機児童は減っていません

昨年よりも認可、認可外ともに保育園の数は増えています。しかし、施設数が追い付いていない現状があります。

例えば杉並区。昨年、異議申し立てをする前の待機児童数は100人に満たない数字でした。ところが認可保育所に入れなかったのは100人どころではなく、1,000人以上という本来の数が判明しました。

それは育児休暇中の申し込みや認可外に預けている場合は待機児童には含んでおらず、公表している数字と実際の数字に乖離が生じていたため。

また、杉並はもともと保育園の数はそんなに多くなかったのですが、都心に出る際の便もよく生活しやすいことに加え、顕在化している待機児童が少ないため、杉並区に引っ越しをする人が多く、少ない保育園に更に申し込みが殺到するという事になってしまいました。

保育園を増やしても、利用したい人数が圧倒的に多くなってしまっている現状。これが待機児童が減らない状況をつくっています。

 

■ 待機児童にならないためには?

東京都独自の認証保育所制度などで認可外の保育園も増えたため、認可保育所に入れなくても認可外に預けられると思いがちです。しかし、実際は認可外に申し込みをしたけれど順番待ちになってしまい、認可外の保育園に入るのも難しいという事態もおきています。

では、どうしたら待機児童にならずに済むのでしょうか?

早い時期から情報を得て、動いていればどこかの保育園には必ず入れます。

一度どこかの保育園に入れれば、転園することもできますし、小さいうちは園庭のない認証保育所に通わせ、3歳以上は延長のある幼稚園に通わせるという方法もあります。

 

無事、保育園に入れた方にお話を聞くと、妊娠中から施設見学に行ったり、情報を集めていたりしていたとのこと。そこまでしなくてはならないのはおかしな話ですが、今のシステムでは仕方がないため、割りきって動くことも大切です。

今の保育園児たちが大人になるころには、みんなが保育園に入れるようなシステムになっていることを願います。

[執筆:三木育美(保育情報アドバイザー)]

 

※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。

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