今春、転職して新しい仕事に就く女性も多いかと思われます。総務省統計局の年齢階級別転職者数(平成25年度)を見ると、転職した女性は全体で約143万人。年齢別にみると、15歳~24歳までが28万人、25歳~34歳までが38万人となっています。
次いで、転職の理由を見ると、厚生労働省の雇用動向調査(平成25年度上半期)によれば、25~29歳女性で最も多かったのは「労働条件が悪い」18.7%で、20~24歳もトップは同じ理由で20%となっています。
■ 母の望む職場だったけれど…
私のカウンセリングルームに来られたA子さん(28歳)も、転職した38万人のうちの一人です。しかし、カウンセリングを受ける理由は、転職についてではなく、一流企業を辞めることに反対する母親を、どうしたら説得できるかというものでした。こうしたケースのように、転職活動を阻む母親の相談を受けることは珍しくありません。
A子さんは、母親にとっては理想のような娘を演じてきた、と振り返ります。
「大学卒業後は、世間体を非常に気にする母親の強い勧めもあって、いわゆる大企業に入社しました。けれども、勤務時間が長く、人間関係にも疲れてしまって。それに、もともと希望していた仕事ではなかったため、転職を考えるようになったのですが、母の猛反対にあって一度はあきらめようかと思いました」。
そんなA子さんは、どのようにして転職の夢を実現させたのでしょうか。
■ 理解者を味方につける、資格を取得する
一人で説得する自信がないと感じていたA子さんは、母親のお気に入りでもある兄を味方にすることに。兄が、転職に理解を示したことで、頑なだった母親の態度も軟化し、大きく前進。
もう一つ、A子さんが取った行動は、資格を取ること。働きながら資格取得のための試験勉強は相当きつかったのですが、絶対にやりぬくといった固い意志で見事、合格。その資格を活かした仕事なら、一生できるといった点も、母親の説得にプラスに働きました。
今現在、転職を考えているあなた。夢の実現を阻む母親を説得する方法は、必ずあるはずです。
[執筆:真香(母娘問題カウンセラー)]
【参考】
※ 総務省統計局「労働力調査 平成25年平均結果 年齢階級別転職者数」
※ 厚生労働省「平成25年 上半期雇用動向調査結果 転職入職者の状況」