新入社員が入社し数週間。この春、新入社員の指導役を任された筆者の友人は、「有給休暇をとって休むつもりでいたのに、休めず出社した~」と嘆いていました。指導役は、教えながら自分の業務もこなして忙しいうえに、新入社員の言動に驚いたり、ムッとしたり、気を揉んだりと、心身ともに疲れることですね。
ところで、他の人も、新入社員の言動に驚いたりしているのでしょうか?
■ 新入社員のココにびっくり
『とらばーゆ』が調査(※)した、新入社員の言動にギャップを感じたエピソードを、一部ご紹介します。
●勤務態度
- 指示待ちで動かない(29歳)
- 仕事を手伝ってあげたら、その分自分で手を抜いていた(39歳)
●衝撃発言
- 「マジっすか?」と言われて言葉を失った(52歳)
- 仕事のお願いをしたとき「ふぁ~い」と返され脱力(41歳)
どのエピソードにも共感できる一方、彼らの言動を見て、我が身を振り返ると…。職場の年上世代に対して指示を出す、または仕事を頼むとき。親しみをこめたつもりで「タメ口」で接していませんか?
■ ベテラン社員は傷ついている?!
『日本経済新聞』の記事(※2)によれば、40~50代の派遣社員やパート社員の間では、自分たちより若い正社員の言葉遣いに、意欲を失くしたり、傷ついたりすることがあるそうです。マナーの専門家は、「上の世代になるほど、年上を敬う文化の中で過ごしてきたため、年下から敬語抜きで扱われることは、若い人が想像する以上にショックが大きい」と、記事で述べています。
これを踏まえて、年上世代に指示を出す・仕事を頼む場合は、相手を立てる言葉を添えるといいそうです。記事によれば、「経験を生かしてお願いしますよ」などと、笑いながらヨイショすることができると円滑に進みやすいのだとか。
新入社員の指導で心身ともに疲れているとしても、そんなときだからこそ、年上世代とのコミュニケーションを丁寧に。これまで続いてきた人間関係を大事に維持したいなら、うっかりタメ口で、関係を損なうことのないようにしましょうね!
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) ]
【参考】
※1. 『とらばーゆ』2014年4月10日「働く女子が体験した「新入社員とのギャップエピソード」」
※2. 『日本経済新聞』2014年4月7日「年上動かす気遣いの一言」