「キレイになりたい」男性の増加が40代以降で顕著です。作家の辻仁成氏は「中性的になりたい」と宣言。「もしパートナーがそうした変貌を遂げたら?」という問題提議と離婚問題にも発展し、話題の主になりました。今後も増えそうな、キレイになりたい男性の心理を紐解き、対応への参考にしてくださいね。
■ 「キレイになりたい」には理由がある
矢野経済研究所がまとめた『エステティック業界予測』(※)によれば、 加齢や脱毛、メタボリック・シンドロームやグルーミングなどメンズエステへの注目でアンチエイジング市場は拡大の見解です。筆者のカウンセリングルームに訪れる女性からまとめた男性心理も同様の傾向です。
【キレイになりたい男性心理の特徴】
- 自分自身に時間とお金を掛けたい (経済的・精神的余裕)
- まだ自分は変われるという自負 (新分野への挑戦)
- 諦めや甘んじていた状況を変えたい (現状の変革)
- 妻や部下に「若い」と褒められたい (自己肯定感を高める)
目に見える結果が出るお手入れは、明確な理由で美容に関心を寄せている男性にとって新鮮で取り組むべき価値あるプロジェクトなのです。この姿勢は見習いたいですね。
■ 男性がキレイになることで変わること
見た目の性差が縮まると、家庭や仕事、夫婦や恋人間における「男性らしさ」も弱まります。男性が、メイクやエステ、脱毛などに熱心になるほど、女性は戸惑いや嫌悪を感じたり、尊敬の念が薄れることも。一方男性は、結果や効果を追求して研究に励むので、男女で感情のすれ違いが生じます。
大切なのはこの時きちんとコミュニケーションをとり、互いに歩みよるポイントを探すことです。悩みが解決されない時は心理カウンセラーなどにも相談してみてくださいね。
■ 変化していく美の意味
生物界ではオスのほうが美しいものも多く存在し、孔雀の美しい羽は繁殖のためにメスの気をひく装備です。人間も生物の一種として考えれば、キレイでいることの意義や目的には必然性があるはずです。一方で、植物は人間が好む色や姿に交配と改良を重ね、原種から遠ざかるほど遺伝子的には弱くなっていく現象も発生しています。
遠い先、こうした問題が人間の男女にも起こるとはいえませんが、生物上の固有の役割りがあってこそのヒト、男女の違いの素晴らしさです。変化は時代の流れのなかでゆっくりと遂げられていくことを願っています!
[執筆:桜井まどか(心理カウンセラー) ]
【参考】
※ 矢野経済研究所 「エステティックサロン市場に関する調査結果 2013」2014年01月06日