同世代の働く女性から転職相談を受ける機会が増えました。20代後半〜30代になると、経験も蓄積されて自分の進みたい方向がより明確になってくる一方で、結婚や出産などライフイベントでも適齢期を迎え、どのような軸で働く場を選べばいいか悩むことが多くなっているようです。
■ 制度が整っている会社であれば問題ない?
転職相談の中でも多いのが、「将来的に出産後も働きやすい環境や制度がある会社に絞って検討している」という声。筆者としてもこうした視点はとても大事だと思います。ただ、制度に期待し過ぎるのも…と、時に疑問を感じます。環境がどれだけ充実していても、それを上手に使いこなせなければ意味がないからです。
■ スローキャリアのすすめ
長く働いていきたいと考えるのであれば、まずは自分らしい働き方の「質」を追求してみてはいかがでしょうか。キャリアコンサルタント高橋俊介氏の著書『スローキャリア~上昇志向が強くない人のための生き方論~』(※)より、質にこだわる働き方のポイントをご紹介します。
- 働く動機や価値観を整理し、自分らしさを追求しよう
- 特定の業種や職種などにとらわれすぎず、新しいことにも積極的にチャレンジしよう
- 収入や企業ブランド、制度などの外的なものさしではなく、自分のものさしで仕事を選ぼう
- 仕事とプライベート…人生のフェーズごとに優先する比重が異なって構わないので、長い目でみてメリハリのあるキャリアをめざそう
高橋氏は本書の中で、スローキャリアとは「自分の人生をマネージメントしながら日々生きていくことで、振り返ったとき結果として後ろにキャリアができていること」だと述べています。
■ 流されながらキャリアをつなごう
いざ育児休暇を取得! でも「ブランクが心配…」「元の仕事に戻れるかしら…」など、不安の声をよく聞きます。スローキャリアを実現する上で大切なのは、キャリアは積み上げるものではなく「つなげる」ものだという考え方。ですから必要以上に不安視する必要はありません。
方向性がまだ未熟な20代前半は、いくらキャリアプランニングを頑張ったところで10年後、20年後の自分の姿はイメージしにくいもの。それが、20代後半〜30代と、いい意味で流されながら意思をもって働き続けることで自然とキャリアがつながり、自分らしい働き方の質が深まります。育休時など、キャリアポーズが必要になったときは「働き方を見つめ直すいい機会」と捉えてみましょう!
いかがでしたか?
仕事の質と自分らしい働き方にフォーカスし続けることで、制度や環境に頼ることのない本物のワーク・ライフバランスを手に入れてくださいね。
[執筆:渡辺さちこ(「妊きゃりプロジェクト」主宰)]
【参考】
※ 高橋俊介(2004)『スローキャリア~上昇志向が強くない人のための生き方論~』PHP