今年8月、69年ぶりに国内感染が確認され、感染源とされる代々木公園が封鎖される事態となった病「デング熱」。東京都の福祉保健局等では、デング熱や蚊の駆除等に関する都民からの問合せが多数寄せられ、土日も対応窓口を開けると発表(※1)。1日で100件近い相談が寄せられているようです。
■ デング熱の症状と予防
「デング熱」とは、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されるデングウイルスによる感染症のこと。急性の熱性感染症であり、主に、発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などの症状が現れます。主な媒介蚊とされるネッタイシマカは、日本には常在していません。ですが、ヒトスジシマカは青森県以南の日本のほとんどの地域で生息しているので注意が必要です。
厚生労働省の「デング熱に関するQ&A」サイト(※2)によれば、予防策としては、蚊に刺されないようにすること。また、すべての蚊がデングウイルスを保有している訳ではないので、蚊に刺されただけで過分に心配する必要はないそうです。
そうはいっても、やはり「蚊に刺される」ことに対して、例年以上に恐怖を感じるのは筆者だけではないはず。ヒトスジシマカの活動時期は、5月中旬~10月下旬頃とのことですから、あと2か月弱を蚊に刺されず乗り切りたいですよね。そんなとき、薬局などで手に入る虫よけスプレーが苦手な方でも使える、アロマを使った虫よけ(蚊よけ)方法があるのをご存知でしょうか?
■ 蚊よけに効くアロマは、レモングラス
公益社団法人日本アロマ環境協会が発表したニュースリリース(※3)によれば、アロマテラピーで用いられるエッセンシャルオイル(精油)のなかには、優れた昆虫忌避作用を持つものがあるとのこと。
その代表例が「レモングラス」。レモングラスはインドなどで古くから蚊よけとして活用されており、実験によれば“12時間で約74%の忌避効果を発揮”との報告も(1センチ平米あたり5ミリグラムの精油を付けた場合)。
蚊に対する忌避作用が確認されている精油としては、レモングラス以外にも「シトロネラ」「レモンユーカリ」などがあります。
■ アロマの使い方―蚊よけ精油の作り方
日本アロマ環境協会は、アロマを使った蚊よけ方法として3つを紹介しています。
1.アロマディフューザーで空気中に噴霧する
2.原液を布に含ませて持ち歩く
3.精油で虫よけスプレーを作る
簡単そうに見えますが、アロマの精油(エッセンシャルオイル)の取扱いにはご注意を。例えば、原液を直接肌に付けない、スプレーの配合など。知識のないまま、アロマ精油を適当に扱うと肌荒れの原因になることもあります。アロマを用いる際には、必ず購入店や専門家に使い方をおしえてもらってくださいね。
【参考】
※1. 東京都福祉保健局「デング熱専用相談電話の対応強化について」平成26年8月29日
※2. 厚生労働省「デング熱に関するQ&A」第2版2014年8月27日
※3. 公益社団法人日本アロマ環境協会「アロマを虫よけに活用~レモングラス精油の蚊に対する忌避作用~」PDF 2014年7月16日