女性と男性は脳の構造が違うことは、近年その謎が解き明かされつつあります。
よく女性は「感情的だ」とか「論理性が足りない」と言われがちですが、そもそも脳の仕組みに違いがあるので、もしかしたらそれは当然のことなのかもしれません。今回は、男女の脳や行動の違いで多くの著書を書かれている黒川伊保子氏の最新著書から学んでみたいと思います!
■ 男女の脳の違いは何か?
黒川氏の最新の著書『ナチュラル女子脳がやってきた』(※)によれば、男女の脳には大きな2つの違いがあるとしています。
1.長い神経線が活性化している女性脳
脳の中には認識の担い手であるニューロンという脳神経細胞がつまっていますが、ニューロン同士は複数の神経線でつながれています。この神経線には1メートル前後の長いものと、数センチくらいまでの短いものがあり、長いものは脳のかけ離れた箇所をつなぎ「複雑な事象」を認識する回路で、一方の短いものは白黒つけやすい高速処理を担当しています。女性は前者の長い回路が活性化しやすいため、五感から入る様々な情報を統括したインスピレーションや直感、感情が生み出しやすいといわれています。
2. 右脳と左脳をつなぐ“脳梁”が20%太い女性脳
既に広く知られているように、右脳は感性や感じる力をつかさどり、左脳は合理的に考える力をつかさどっています。この2つの脳をつなぐのが脳梁という懸け橋の部分ですが、女性は生まれながらに男性よりここが20%も太く、両者の脳の情報が頻繁に行き来しています。そのため、感じたことをペラペラとすぐ言葉にしやすいのです。
■ 女性の部下を持つ男性が注意すること
脳の観点から見ても、女性と男性はある意味別の生き物と言えるくらい大きな違いがあります。そのため、モチベーションの感じ方にも大きな違いがあるので、女性を部下に持つ上司の皆さんに是非意識してほしいと思います。黒川氏の著書でも「女性は結果をほめられるよりも、経緯をほめられることが大切」とあり、男女をほめるコツが違うことを説いておられます。
あくまで一つの観点ではありますが、女性の場合は、数字による比較や合理的な目標からヤル気を引きだそうとしても難しいことも。ですから、女性の部下のマネジメントではこんなポイントを意識してみてはいかがでしょうか。
- 女性脳の一般的な傾向として、「成果」や「一番になること」への興味が薄い場合があるので、「あなたへの期待」という個別の期待を伝える
- ささいなことでもその個別の強みにフォーカスし、「その人だけの特別」を褒める
男性上司の方は、自分がそう言われて嬉しいか? という考えはいったん捨てていただき、女性脳になったつもりで考えると良いかもしれません。
成果が求められるビジネスの世界では、女性の特徴や強みを活かすににはちょっとした工夫が必要だと思います。特に男性の管理職の皆さんには、男女の違いをうまく活かすマネジメントをして欲しいものですね。
[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]
【参考】
※ 黒川伊保子,感性リサーチ(2014)『ナチュラル女子脳がやってきた-どうして女性社員はあなたの言うことを聞いてくれないのか』(Kindle版)東京書籍