あっという間に11月も終わり、来年はもうすぐそこ。新年には、初詣に出かけるのが恒例行事の方もいらっしゃるでしょう。あなたは、適切な参拝マナーを知っているでしょうか? 御手水や柏手(かしわで)などは、周囲の人の様子を見て真似れば、なんとかなるもの。ですが、他の人の実態が分かりにくく、具体的に尋ねにくいものがあります。それは、お賽銭。さて、あなたのお賽銭の額は適切でしょうか?
■ お賽銭に10円はダメ!
合田道人氏の著書『神社の謎』(※)によれば、お賽銭の額を問うあるアンケートで「10円」と回答した人が一番多かったとのこと。しかし合田氏は、お賽銭に10円はダメ! とバッサリ。その理由は、10円は“とおえん”とも読むことから。“とおえん”とはつまり、“遠縁”であり、縁が遠のいてしまいます。これは恋愛成就などの縁だけの話ではなく、家族も健康も、昇進やお金などの良い話も、すべては縁が引き寄せるもの。縁が遠くなってしまっては、せっかくお参りに行っても意味がないですよね。
■ 財布に5円玉がなかったら?
一方、お賽銭は「5円=ご縁」が良いとは思うけれど、たまたまお財布に5円玉がない…。この場合はどうしたらいいのでしょう?
合田氏いわく、いい(良い)という語呂で、10円と1円を合わせて「11円」や「41円」にしたり、1000円札などのお札にするのが良いとのこと。二人で参拝に行く際など、5円を二人分だから10円玉で、などと行動しがちですが、二人が遠縁になるのは避けたいですよね。そもそも、参拝に行くことが分かっているなら、あらかじめお賽銭用の5円などを準備していく気持ちの余裕を持ちたいものです。
いかがでしょうか。一人暮らしや核家族で生活をしていると、神社への参拝などの基本的なマナーをおしえてくれる年配者が近くにいないことも。今は書籍やインターネット等でも、参拝マナーについて書かれたものが出ていますので、自信のない方は、知らずに恥をかく前に一度目を通しておくと良いかもしれません。
[執筆:嘉納 夢子]
【参考】
※ 合田道人(2013)『全然、知らずにお参りしてた 神社の謎』 祥伝社