■ 1日何分、夫婦で会話していますか?
11月22日は「いい夫婦の日」で各地でイベントなどが行われましたが、「いい夫婦」であるには、日々の会話をどれくらいしているかが一つの指標になるようです。
2006年発表のMDRT日本会による夫婦の意識調査では、夫婦の会話の時間の増減が、離婚可能性に比例することを示唆しています。たとえば、「夫婦ふたりの1日の会話の合計時間の長さの平均はどれくらいか?」という設問に対し、男女合わせて平均66.3分1日に会話をしているという結果が出ています。
それに対し、「離婚をする可能性なし」ときっぱり言い切る人の平均会話時間は男性81.34分、女性86.64分。一方「離婚する可能性あり」と答えた男性は36.71分、女性22.17分という結果が出ています。
■ 時間がなくても会話をする、深めるには
このデータを見て、筆者は「離婚する可能性あり」と答えた夫婦はお互いのための会話の方法や時間を取ることをあらかじめ準備していない、もしくは諦めてしまっているのでは? と推測しました。どちらも多忙であれば、食事の時間などを共にできないのは仕方がないと思いますが、歩み寄ろうと思えばコミュニケーションをする方法はいくらでもあります。
例えば筆者の周囲の共働き夫婦の多くは朝、家事をしながら夫婦で大切なことを情報共有し合うことが多いですし、LINEのスタンプで気軽に普段は伝えきれない想いを伝えている人もいます。またお互いを意識してFacebookやTwitterで心情を吐露して、自分の状況をパートナーに理解してもらう人もいます。そこから話しのきっかけをつかむ場合もあります。
また妻側としてできることのおすすめは、男性特有のコミュニケーションを理解することです。男性は相手の気持ちを察することが苦手な人が多いと言われています。これは女性が抱え込まずにきちんと自分の想いを伝えることでしか、男性が気づいてくれないことも多いのです。また男性は目的を明確でないコミュニケーションは苦手な人が多いです。夫とじっくり話し合いたい場合はあらかじめ話したいテーマを伝えておいて、時間をとってもらうと良いと思います。
一方、夫側には妻の話を固定的な性別役割分担の壁を越えて、「答えを用意せずに」気持ちに寄り添って聞くということを、妻側の相談を数多く受けてきたカウンセラーの筆者としてはお願いしたいです。
『星の王子さま』で有名なフランスの作家 サン・テグジュペリは「愛はお互いを見つめ合うことではなく、一緒に同じ方向をみつめることである」と言っています。
日々の忙しさや生活に流されて愛を語る暇はないかもしれませんが、ちょっとした工夫や心がけで夫婦関係を好転することはできます。諦めずに想いを伝えてみることをおすすめします。
[執筆:小倉 環(キャリアカウンセラー) ]
【参考】
※ MDRT日本会 「40代~50代の『夫婦の意識調査』~会話不足は熟年離婚のシグナル~」2006年11月13日(報道資料)
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