保育施設では4月から新しい年度が始まります。新しい年度になる時が一番入りやすいと言われているため、多くの方がこの4月から預けることになるかと思います。
子どもを預けるにあたっての準備をする中で、断乳(卒乳)を考える方もいらっしゃると思いますが、入園準備で断乳をする必要は特にないのです。
■ なぜ、断乳の必要がないの?
まず、入園するにあたって、なぜ断乳を考えるのでしょうか?
色々な事が思い浮かぶと思います。
- 哺乳瓶を嫌がる
- 母乳しか飲めないと困る
- 保育園から言われてしまった
- そういうものだと思っていた…
などが、主な理由なのではないでしょうか?
このように見ていくと、絶対に止めなくてはならない理由はないですよね? 哺乳瓶を嫌がってしまう理由の一つは、いつもおっぱいをくれている母親から哺乳瓶で飲まされそうになると、当然おっぱいの方がいいので哺乳瓶を嫌がるのは当たり前だからなのですね。
子どもは環境に慣れるのが早いので、哺乳瓶を嫌がる子でも、これしかないと分かると哺乳瓶で飲むようになります。また、いつまでも哺乳瓶を嫌がる子もいますが、逆にその場合は早くにコップで飲めるようになったりするのです。
■ 断乳はタイミングを見て行うのが一番!
では、断乳のタイミングはいつがいいのでしょうか。
ママの体力と子どもの体力やコミュニケーションをみて、ここでいいかな? と思ったタイミングがいいかと思います。
ママが働き始めると、ママと子どもが「ほっ」とできる時間になるのが授乳タイムです。家に帰って授乳時間があることで、落ち着くことができるのです。また、子どもが熱を出した時には水分補給が必要になりますが、おっぱいを飲むことができれば、水分補給ができ、大事に至らないこともあります。
特に初めての集団保育に入ると、子どもは体調を崩すのが当たり前。おっぱいがあるととても便利です。夜中に頻繁に授乳があり、ママの体力が持たないというのであれば、そこが止め時なのかもしれません。子どもも色々なことに興味を持ってきて、水分も色々なものから取れるようになったのであれば、止め時かもしれません。
断乳のタイミングは、個々のケースがあっていいのです。「保育園に預けるから止めなくては」いうことはありません。子どもと自分と向き合って、それぞれのタイミングで止めていくのが納得のいく育児につながると思います。
[執筆:三木育美(保育情報アドバイザー)]
【参考】
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。
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