紅茶の消費量が多い国と言ってすぐ頭に浮かぶ国といえば、イギリスではないでしょうか。イギリス文学には「動揺した登場人物を落ち着かせるにあたって紅茶を入れる」という描写がよく見られます。ショックを受けたり、落ち込んでいる人を慰めたりするとき、イギリス人たちはまず紅茶を飲んで一息入れることが多いようです。
実際、Quartzが発表した「世界の1人当たり年間茶葉消費量ランキング」調査結果(※1)によると、イギリスの1人当たりの紅茶消費量は約2kgで世界第3位。これは毎日平均4~5杯の紅茶を飲んでいる計算になります。ちなみに同ランキングで日本は9位、消費量は約970gとイギリスの半分ほどです。
■ 紅茶の効能とは
紅茶に含まれる代表的な成分には、カフェインがあげられます。このカフェイン、疲労回復、中枢神経の刺激に加え、ストレスの解消にも一役買っています。
カフェインが含まれている飲料といえば、たとえばコーヒーもありますが、紅茶にはコーヒーにはないアミノ酸(テアニン)が含まれていることが大きな違いとなってきます。コーヒーの場合はカフェイン単体で作用しますが、紅茶の場合はアミノ酸(テアニン)とカフェインが結びつくことで、カフェインの作用が穏やかになるのです。
イギリスの有名な大学、University College London(UCL)の研究でも、紅茶がストレス軽減に効果があるという結果が示されています(※2)。
■ ミルクティー派? レモンティー派?
ところで、あなたはミルクティー派でしょうか、それともレモンティー派でしょうか?
梶本修身氏らの調査(※3)によると、レモンクエン酸配合飲料を摂取することで、疲労感、緊張度、イライラ感などを緩和する効果がある、そして継続して飲むことによりその効果はさらに顕著になることが報告されています。さらに、レモンにはポリフェノール成分が豊富に含まれており、紅茶自体に含まれているポリフェノールパワーをアップさせることも期待できるのです。
日常生活にレモンティーを取り入れ、リラックスする時間を。そして、ストレスに負けない、健康な心身を作っていきたいものですね。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1 『gizmode.com』「The World’s Biggest Tea Drinkers, Visualized」2014年1月22日
※2 University College London 「Black tea soothes away stress 」2010年7月16日
※3 梶本修身ら(2007)「レモンクエン酸の疲労感軽減効果」Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療)、35(7)、821-828